山口神社（出雲市鹿園寺町）

山口神社（やまぐちじんじゃ）は　かつて毎年　四人の頭人を定め　毎月晦日に坂浦より潮を汲みて捧げ　祭日に十二番の相撲神事が行われていました　『出雲國風土記733 AD.』所載の楯縫郡  不在神祇官社「高守社（たかもり）のやしろ」「又高守社（またたかもり）のやしろ」「山口社（やまぐち）のやしろ」の論社です

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ここからは　掲載神社の呼称名を時代順に説明していきます

①まず初めは　今から約1300年前・天平5年（733年）2月30日に完成した『出雲國風土記』

➁次に　今から約1100年前・平安時代中期（延長5年927年)に完成した『延喜式神名帳』

➂最後に『出雲國風土記』と『延喜式神名帳』の論社（現在の神社）となっています

①【約1300年前】About 1300 years ago

【出雲國風土記（izumo no kuni fudoki）所載社（Place of publication）】
The shrine record was completed in February 733 AD.

三つの不在神祇官社の論社となっています

①〈山口神社に合祀〉羽黒山鎮座　高守神社

【國】　出雲國（izumo no kuni）
【郡】　楯縫郡（tatenui no kori）

　　　不在神祇官社（fuzai jingikan no yashiro）

【社名】高守社　
【読み】（たかもり）のやしろ
【How to read】（takamori no） yashiro

➁〈山口神社の境内社〉諏訪神社

【出雲國風土記（izumo no kuni fudoki）所載社（Place of publication）】
The shrine record was completed in February 733 AD.

【國】　出雲國（izumo no kuni）
【郡】　楯縫郡（tatenui no kori）

　　　不在神祇官社（fuzai jingikan no yashiro）

【社名】又高守社　
【読み】（またたかもり）のやしろ
【How to read】（mata takamori no） yashiro

➂山口神社の本社

【出雲國風土記（izumo no kuni fudoki）所載社（Place of publication）】
The shrine record was completed in February 733 AD.

【國】　出雲國（izumo no kuni）
【郡】　楯縫郡（tatenui no kori）

　　　不在神祇官社（fuzai jingikan no yashiro）

【社名】山口社　
【読み】（やまぐち）のやしろ
【How to read】（yamaguchi no） yashiro

国立公文書館デジタルアーカイブ『出雲国風土記』写本https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F1000000000000003351&ID=&TYPE=&NO=画像利用

➁【約1100年前】About 1100 years ago

【延喜式神名帳（engishiki jimmeicho）所載社（Place of publication）】
The shrine record was completed in December 927 AD.

官社ではない為　該当しません

➂【現在】At the moment　の【論社】Current specific shrine

【神社名】(shrine name)　

山口神社（Yamaguchi shrine）

【通称名】(Common name)

六所神社（ろくしょじんじゃ）

【鎮座地】(location)

島根県出雲市鹿園寺町743

【地　図】(Google Map)

https://www.google.com/maps/dir/''/%E3%80%92691-0075+%E5%B3%B6%E6%A0%B9%E7%9C%8C%E5%87%BA%E9%9B%B2%E5%B8%82%E9%B9%BF%E5%9C%92%E5%AF%BA%E7%94%BA%EF%BC%97%EF%BC%94%EF%BC%93+%E5%B1%B1%E5%8F%A3%E7%A5%9E%E7%A4%BE+(%E9%B9%BF%E5%9C%92%E5%AF%BA)/@35.4702447,132.8727416,15.44z/data=!4m14!4m13!1m5!1m1!1s0x3557133fe4f8da9f:0x610c58fa0533e936!2m2!1d132.8828504!2d35.4645411!1m5!1m1!1s0x355713311cc6b585:0x810b4bcd691c4535!2m2!1d132.8708722!2d35.4751821!3e0

【御祭神】(God’s name to pray)

《主》伊弉諾命（いざなぎのみこと）
　　　伊弉冊命（いざなみのみこと）
《配》天照皇大御神（あまてらすおほみかみ）
　　　素盞嗚命（すさのをのみこと）
　　　天津彦彦火瓊瓊杵命（あまつひこひこほににぎのみこと）
　　　天児屋命（あめのこやねのみこと）

《合》〈山口神社に合祀〉羽黒山鎮座　高守神社
　　　天櫛明玉命（あめのくしあかりたまのみこと）

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【御神格】(God’s great power)

・学問成就　健康安全

【格式】(Rules of dignity)

・『出雲國風土記（izumo no kuni fudoki）733 AD.』所載社

【創建】(Beginning of history)

創建年代不詳

【由緒】(history)

『雲陽志（unyo shi）』では　「六社明神」と記され　

毎年　氏子の中より四人ずつ頭人と云う定め・・十二番の相撲神事あり毎月晦日ことに　坂浦より潮を汲みて神前に奉る・・・いつの日よりか絶て今はなし
天正八年（1580）棟札あれも不分明

【境内社】(Other deities within the precincts)

『出雲國風土記733 AD.』所載の楯縫郡  不在神祇官社「又高守社（またたかもり）のやしろ」とされる
境内社「諏訪神社《主》武御名方命（たけみなかたのみこと）」

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・金佐神社《主》金山昆古命・金山昆賣命

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・社日社《主》天照皇大神・大己貴命・稲倉魂命・埴安媛命・少彦名命

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・稲荷神社《主》稲倉魂命・土之御祖命

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・御神木

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【オタッキーポイント】（Points selected by Japanese Otaku）

『出雲國風土記733 AD.』所載の楯縫郡  不在神祇官社「山口社（やまぐち）のやしろ」の論社は　二ヶ所です

・山口神社

・〈多久神社に合祀〉拝田神社

【神社にお詣り】(Pray at the shrine)

宍道湖の北岸　一畑口駅から県道23号経由　約2.7km　車8分程度

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鹿園寺（ろくをんじ）町を流れる川の西岸の住宅街を抜けると鳥居が見えてきます

山口神社（出雲市鹿園寺町）に参着

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・狛犬・鳥居・石段・石垣等は　新しく奉納されたものです
一礼をして鳥居をくぐり　石垣の上の境内地へと歩みます

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石段の上には　新しい出雲式狛犬と鳥居　その先に拝殿が建っています

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拝殿の扁額は
現社名の「山口神社」
旧社名の「六所大明神」

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賽銭をおさめ　お祈りです　
ご神威に添い給うよう願いながら礼　鎮まる御祭神に届かんと　かん高い柏手を打ち　両手を合わせ祈ります

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境内の東南の位置に　石垣で囲まれていて　三方を鳥居に囲まれた木があります　始めて見るお祀りの方法です
もしかすると　以前の御神木の後裔なのでしょうか

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社殿の奥には本殿が鎮座して　その向かって左側には「社日碑」が祀られています

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本殿の向かって右側には「諏訪神社と金佐神社」が並んで祀られます

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更に「稲荷神社と御神木」が祀られます

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社殿に一礼をして　参道を戻ります

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境内に舞っていたスズメバチが　花の蜜を吸っています

【神社の伝承】(Old tales handed down to shrines)

それぞれの文献では　次のように伝承しています

『雲陽志（unyo shi）1835AD.』楯縫郡　鹿園寺　にある伝承

「六社明神」〈現 山口神社（出雲市鹿園寺町）〉と「羽黒権化」〈現 〈山口神社に合祀〉羽黒山鎮座　高守神社〉と「金佐権現」〈現 境内社 金佐神社〉「諏訪明神」〈現 諏訪神社〉などが記されています

『雲陽志（unyo shi）』では

「六社明神」〈現 山口神社（出雲市鹿園寺町）〉と記され
「伊弉諾命（いざなぎのみこと）伊弉冊命（いざなみのみこと）天照大神（あまてらすおほみかみ）素盞嗚命（すさのをのみこと）瓊瓊杵命（ににぎのみこと）児屋根命（こやねのみこと）なり
本社九尺四方　南向き　拝殿二間に三間
祭祀　九月二十九日　

毎年　氏子の中より四人ずつ頭人と云う定め　神事寸左右にほこと榊つ立　四人の頭人　髪を茶戔にゆい　幣をさし
二人は　子りと云うて　裸になり一端の布を腰に巻き半分は跡へしき
二人は　をきむしろと云うて　めいゆを著右二人の肩へ十二一重を一つ宛かけるなり　かくる度度　両人之の中を廻り跡に謹て拝して　かくなり十二一重をかけ仕舞　先の礼式のごとく
又　十二一重を一つ宛とり　その後　具足を着て　鎧をつき三度しり上けと云うことして　具足をぬぎ　紺布を刀にかけ　両の手に持ち　もとの所へ戻り　夫より　十二番の相撲神事あり　右の四人の頭は　当年より頭を請取て　九月二十九日まで毎月晦日ことに　坂浦より潮を汲みて神前に奉る　古者　正月七日　的の神事　御田植の神事などありつれも　いつの日よりか絶て今はなし
天正八年（1580）の棟札あれも不分明

「金佐権現」〈現 境内社 金佐神社《主》金山昆古命・金山昆賣命〉
六所明神　神域にあり・・・

「羽黒権化」〈現 〈山口神社に合祀〉羽黒山鎮座　高守神社〉
天明玉命（あめのあかりたまのみこと）なり
社五尺四方　南向き　境内十間四方
祭礼　十月十四日

毎年　四人の頭人を定め　坂浦より潮を汲みて捧げるなり
古老伝云う　この神は　出羽国 湯殿山より坂浦松嶋と云う所へ勧請ありてより　三百年の凌源隆慶と云う人　今の地に遷したり　隆慶は何なる人　何れの時代とも不知　永録十年（1567）隆慶当社再興の棟札あれば　永徳のこの人なるべし

「諏訪明神」〈現 諏訪神社《主》武御名方命〉
建御名命なり・・・

と記しています

『原文』参照

※『雲陽志（unyo shi）』[黒沢長尚著]天保6 [1835]国立公文書館デジタルアーカイブ『雲陽志』写本https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F1000000000000002424&ID=&TYPE=&NO=画像利用

※『雲陽志（unyo shi）』[黒沢長尚著]天保6 [1835]国立公文書館デジタルアーカイブ『雲陽志』写本https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F1000000000000002424&ID=&TYPE=&NO=画像利用

『出雲国風土記考証（Izumonokuni fudoki koshiyo）』〈大正15年（1926）〉に記される伝承

【意訳】

「高守社（たかもりのやしろ）
　鹿園寺（ろくをんじ）の羽黒大明神、天明玉命（あめのあかりたまのみこと）を祀る。」

「又高守社（またたかもりのやしろ）
　鹿園寺（ろくをんじ）の諏訪大明神、武御名方命（たけみなかたのみこと）をまつる。」

「山口社（やまぐちのやしろ）
　鹿園寺（ろくをんじ）の山口の六所大明神であって、伊弉諾命（いざなぎのみこと）伊弉冊命（いざなみのみこと）天照大神（あまてらすおほみかみ）素盞嗚命（すさのをのみこと）瓊瓊杵命（ににぎのみこと）天児屋命（あめのこやねのみこと）を祀る。
多久村に都留伎比古命を祀る所の拝田大明神（はいただいみょうじん）であめという説もある。」

と記されています　　

【原文参照】

国立国会図書館デジタルコレクション『出雲国風土記考証』大正15年（1926）後藤蔵四郎 著 出版者 大岡山書店https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1020570映像利用

山口神社（出雲市鹿園寺町）に「拝 (hai)」(90度のお辞儀)

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