北海道神宮(ほっかいどうじんぐう)は 明治2年(1869)明治天皇の詔により 東京の神祇官にて開拓三神〈大国魂神・大那牟遅神・少彦名神〉を祀る「北海道鎮座神祭」が執行 御霊代は 函館より開拓判官 島義勇が背負い札幌の地に入る 明治3年「一の宮」「勅祭社」と称し仮社殿を造営 明治4年「札幌神社」と改号 国幣小社に列し 円山の地に社殿を造営し鎮座されました
目次
1.ご紹介(Introduction)
この神社の正式名称や呼ばれ方 現在の住所と地図 祀られている神様や神社の歴史について ご紹介します
【神社名(Shrine name)】
北海道神宮(Hokkaidojingu shrine)
【通称名(Common name)】
【鎮座地 (Location) 】
北海道札幌市中央区宮ケ丘474番地
【地 図 (Google Map)】
【御祭神 (God's name to pray)】
《主》大國魂神(おほくにたまのかみ)
大那牟遲神(おほなむちのかみ)
少彦名神(すくなひこなのかみ)
明治天皇(めいじてんのう)
【御神徳 (God's great power)】(ご利益)
・北海道開拓・医薬守護・醸造守護
【格 式 (Rules of dignity) 】
・旧官幣大社
・蝦夷国新一之宮
・別表神社
【創 建 (Beginning of history)】
由来
明治2年9月1日、明治天皇の詔による東京の神祇官において大国魂神、大那牟遅神、少彦名神の開拓三神を祀る「北海道鎮座神祭」が執行された。
明治2年9月21日、御霊代は2代目開拓長官東久世通禧が奉戴し英船テールス号にて函館に渡り、函館より開拓判官島義勇が背負い札幌の地に入る。
明治3年5月15日、北5条東1丁目に仮社殿を造営して遷座し「一の宮」「勅祭社」と称された。
明治4年5月14日「札幌神社」と社名が定まり、国幣小社に列せられた。明治4年9月14日、円山の地に社殿を造営し鎮座した。明治5年1月25日官幣小社、明治26年に官幣中社、明治32年に官幣大社に昇格した。
大正2年、伊勢神宮御正殿の撤下古材を拝受して本殿をはじめ、渡殿、拝殿、社務所等を竣工した。
昭和11年、昭和天皇行幸に際し、現在の神門が造営された。昭和21年4月20日神社本庁に所属する。
昭和39年10月5日、明治天皇を増祀し北海道神宮と改称し、名実ともに北海道の総鎮守として崇敬されている。北海道神社庁公式ホームページより抜粋
https://hokkaidojinjacho.jp/%E5%8C%97%E6%B5%B7%E9%81%93%E7%A5%9E%E5%AE%AE/
【由 緒 (History)】
北海道神宮
祭神
大国魂神(おおくにたまのかみ)北海道の國魂の神
大那牟遅神(おおなむちのかみ)大国主神と同神 国土経営開拓神
少彦名神(すくなひこなのかみ)国土経営医薬酒造の神
明治天皇(めいじてんのう) 昭和三十九年鎮座例祭 六月十五日
由緒
明治二年九月一日明治天皇の詔により北海道の開拓の守護神として東京の神祇官に開拓三神を御鎮斎になったのが北海道神宮の創祀であります。つづいて開拓長官東久世通禧が神祇官より御霊代を戴き、開拓判官島義勇が御霊代を奉じ札幌の地に入り明治四年五月に札幌神社と社名が定まり、同年九月にこの円山の地に社殿を造営し鎮座されました。昭和三十九年十月明治天皇が鎮座され札幌神社より北海道神宮と改称し北海道の総鎮守として崇敬されています。
現地案内板より
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【神社の境内 (Precincts of the shrine)】
・開拓神社(かいたくじんじゃ)
《主》開拓功労者37柱
(武田信広,松前慶広,佐藤信景,村山伝兵衛,松田伝十郎,本多利明,伊能忠敬,高田屋嘉兵衛,栖原角兵衛,最上徳内,近藤重蔵,間宮林蔵,中川五郎治,鈴鹿甚右衛門,田崎東,松前徳広,井上長秋,鍋島直正,島義勇,松川弁之助,続豊治,下国安芸,清水谷公考,早川弥五左衛門,松浦弘,吾妻謙,佐野孫右衛門,伊達邦直,黒田清隆,小林重吉,永山武四郎,岡本監輔,伊達邦成,東久世通禧,田村顕允,岩村通俊,依田勉三)
〈昭和13年開道70年にあたり 北海道開拓功労者の36柱を奉斎 昭和29年には帯広の農聖依田勉三を合祀 昭和63年鎮座50年にあたり拝殿が新造営〉
・鉱霊神社(こうれいじんじゃ)
《主》北海道鉱業会殉職者御霊
〈北海道鉱業界の殉職者をまつり 昭和18年6月25日札幌鉱山監督局50周年に際し創立 昭和24年境内に遷座〉
・穂多木神社(ほたきじんじゃ)
《主》北海道拓殖銀行物故者御霊
〈昭和13年5月1日 北海道拓殖銀行本社屋上に札幌神社分霊を奉斎する社殿と同行物故功労者を祀る付属霊社が建立された 昭和25年境内に遷座〉
・枯山水
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【神社の境外 (Outside the shrine grounds)】
・北海道神宮 頓宮(とんぐう)
《主》大國魂神・大那牟遲神・少彦名神・明治天皇
〈頓宮は 明治11年6月遥拝所として設置された 明治34年焼失 明治43年11月17日 札幌祭典区により渡御の御旅所の施設として頓宮の社殿が献納 昭和22年9月3日に本社の分霊を奉斎し末社に指定〉
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この神社の予備知識(Preliminary knowledge of this shrine)
この神社は 由緒(格式ある歴史)を持っています
開拓三神と「北海道開拓の父」と呼ばれる島義勇(しま よしたけ)について
島 義勇は 江戸時代末期(幕末)から明治にかけての佐賀藩士 明治政府官吏 札幌市の建設に着手し「北海道開拓の父」と呼ばれた
明治2年(1869)に蝦夷地が北海道と改称され6月6日 新政府において肥前国佐賀藩主・鍋島直正が 蝦夷開拓督務となり 島は蝦夷地に通じていた爲 蝦夷開拓御用掛に任命され 同年7月22日 開拓判官に就任
明治2年(1869)明治天皇の詔により 東京で゛゛北海道鎮座神祭゛が行われ 北海道開拓の守護神として開拓三神〈・大国魂命・大己貴命・少彦名命 〉が鎮祭され 太政官訓令として 石狩に本府を建て 祭政一致の建前から神を祀る事を命ぜられた
そのため 島は北海道に渡る際 神祗官から開拓の三神を授けられた
島は 明治2年(1869)9月25日に函館に着き 単身開拓三神を背負って陸路札幌に向かい 10月12日に銭函に到着後 札幌市内に仮宮殿を設けた
また 銭函到着後直ちに 先発隊を札幌に向かわせて 神社予定地を見定め 明治3年5月15日 現在の札幌市北5条東1丁目に仮宮殿を設け開拓三神を祀り「一の宮」「勅祭社」と稱した
明治4年5月14日「札幌神社」と社名が定まり 国幣小社に列せられた
明治4年9月14日 円山の地に社殿を造営し鎮座した
これが現在の北海道神宮の創建である
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【オタッキーポイント】(Points selected by Japanese Otaku)
あなたが この神社に興味が湧くような予備知識をオタク視点でご紹介します
神宮(じんぐう)と名乗る神社について
元々は゛神宮(かむのみや)と呼ばれたもので
『日本書紀』には 三つの宮 のみ
①伊勢神宮
②石上神宮
③出雲大神宮〈出雲大社のこと〉
『延喜式神名帳』では 三つの宮 のみ
①大神宮(伊勢神宮内宮)
②鹿島神宮
③香取神宮
明治以降 天皇や皇室の祖先神を祭神とする神社が 社号を「神社」から「神宮」に改めたが 仁徳天皇を祀る難波神社や高津宮などは 神宮ではなく 全てが 改号したわけではない
第二次世界大戦終戦〈昭和20年(1945)〉までは 新たに「神宮」の社号を名乗るためには勅許が必要とされました
社名 | 所在地 | 祭神〈天皇や皇室の祖先神〉 |
改称年 | 旧社格 |
皇室祖先神を祭神とする |
||||
神宮 (伊勢神宮) |
三重県伊勢市 | 内宮・天照大神 外宮・豊受大神 |
-- | -- |
伊弉諾神宮 | 兵庫県淡路市 | 伊弉諾尊、伊弉冉尊 | 昭和29年(1954) | 官幣大社 |
霧島神宮 | 鹿児島県霧島市 | 天饒石国饒石天津日高彦火瓊瓊杵尊 | 明治7年(1874) | 官幣大社 |
鹿児島神宮 | 鹿児島県霧島市 | 天津日高彦穂々出見尊 | 明治7年(1874) | 官幣大社 |
鵜戸神宮 | 宮崎県日南市 | 日子波瀲武鸕鶿葺不合尊 | 明治7年(1874) | 官幣大社 |
英彦山神宮 | 福岡県田川郡添田町 | 正哉吾哉勝速日天忍穂耳尊 | 昭和50年(1975) | 官幣中社 |
(台湾神宮) (廃社) |
台湾台北州台北市 | 天照大神 | 昭和19年(1944) | 官幣大社 |
(朝鮮神宮) (廃社) |
朝鮮京畿道京城府 | 天照大神・明治天皇 | 大正14年(1925)(創建) | 官幣大社 |
(関東神宮) (廃社) |
関東州旅順市 | 天照大神・明治天皇 | 昭和19年(1944)(創建) | 官幣大社 |
天皇を祭神とする |
||||
橿原神宮 | 奈良県橿原市 | 神武天皇 | 明治23年(1890)(創建) | 官幣大社 |
宮崎神宮 | 宮崎県宮崎市 | 神武天皇 | 大正2年(1913) | 官幣大社 |
氣比神宮 | 福井県敦賀市 | 伊奢沙別命、仲哀天皇 | 明治28年(1895) | 官幣大社 |
宇佐神宮 | 大分県宇佐市 | 応神天皇、神功皇后 | 明治4年(1871) | 官幣大社 |
(扶余神宮) (創建予定) |
朝鮮忠清南道扶余郡 | 応神天皇、神功皇后、斉明天皇、天智天皇 | 昭和14年(1939)(創立) | 官幣大社 |
近江神宮 | 滋賀県大津市 | 天智天皇 | 昭和15年(1940)(創建) | 官幣大社 |
白峯神宮 | 京都府京都市上京区 | 崇徳天皇、淳仁天皇 | 昭和15年(1940) | 官幣大社 |
平安神宮 | 京都府京都市左京区 | 桓武天皇、孝明天皇 | 明治28年(1895)(創建) | 官幣大社 |
新日吉神宮 | 京都府京都市東山区 | 後白河天皇 | 昭和34年(1959) | 府社 |
赤間神宮 | 山口県下関市 | 安徳天皇 | 昭和15年(1940) | 官幣大社 |
水無瀬神宮 | 大阪府三島郡島本町 | 後鳥羽天皇、土御門天皇、順徳天皇 | 昭和14年(1939) | 官幣大社 |
吉野神宮 | 奈良県吉野郡吉野町 | 後醍醐天皇 | 大正7年(1918) | 官幣大社 |
北海道神宮 | 北海道札幌市中央区 | 明治天皇 | 昭和39年(1964) | 官幣大社 |
明治神宮 | 東京都渋谷区 | 明治天皇 | 大正9年(1920)(創建) | 官幣大社 |
三種の神器を神体とする その他 |
||||
熱田神宮 | 愛知県名古屋市熱田区 | 三種の神器の一つの天叢雲剣(草薙剣) | 明治元年(1868) | 官幣大社 |
石上神宮 | 奈良県天理市 | 布都御魂 | 明治16年(1883) | 官幣大社 |
國懸神宮 | 和歌山県和歌山市 | 日矛鏡 | -- | 官幣大社 |
日前神宮 | 和歌山県和歌山市 | 日像鏡 | -- | 官幣大社 |
鹿島神宮 | 茨城県鹿嶋市 | 武甕槌神 | -- | 官幣大社 |
香取神宮 | 千葉県香取市 | 経津主神 | -- | 官幣大社 |
【神社にお詣り】(For your reference when visiting this shrine)
この神社にご参拝した時の様子をご紹介します
地下鉄 東西線 円山公園駅から西へ約850m 徒歩15分程度
社殿 表参道 大鳥居は 北海道の開拓当時樺太・千島に進出を進めていたロシアに対する守りの為 北東を向いています
今回は 円山公園駅から徒歩で向かった為 円山公園を抜けて公園鳥居をくぐり抜けて 南東向きの第三鳥居から参拝します
北海道神宮(札幌市中央区宮ケ丘)に参着
鳥居をくぐると大きな石灯籠があります
森の中の参道を進むと手水舎の前あたりに出ます
注連縄の張られた 神門が建ちます
神門をくぐり抜けると 天皇陛下のお手植えがあり 玉砂利が整然と敷き詰められ 廻廊に取り囲まれた境内があります
拝殿にすすみます
結婚式が執り行われていて 拝殿の前で記念撮影がされていますので 祝いの宴なので
暫く待ちます
賽銭をおさめ お祈りをします
ご神威に添い給うよう願いながら礼 鎮まる御祭神に届かんと かん高い柏手を打ち 両手を合わせ祈ります
社殿に一礼をして 参道を戻ります
【神社の伝承】(A shrine where the legend is inherited)
この神社にかかわる故事や記載されている文献などをご紹介します
令和4年 北海道神宮例祭 本年番 【神輿渡御】
東北連合町内会HPより
http://touhoku-rengou.net/2022/07/28/%E7%A5%9E%E8%BC%BF%E6%B8%A1%E5%BE%A1/