湯船神社(ゆぶねじんじゃ)は 三宅一周道路 神着のバス停 湯舟グラウンドの横に鎮座しています 元々の鎮座地は「東郷の湯池の湖畔」に鎮座していましたが 明治7年(1874年)7月3日正午頃より始まった噴火により 東郷集落が埋没焼失したため この地に遷座しました
目次
- 1 1.ご紹介(Introduction)
- 2 この神社の予備知識(Preliminary knowledge of this shrine)
- 3 【オタッキーポイント】(Points selected by Japanese Otaku)
- 4 神社にお詣り(Pray at the shrine)
- 5 神社の伝承(Old tales handed down to shrines)
- 6 各々の神社の記事をご覧ください
- 7 伊豆国 式内社 92座(大5座・小87座)について に戻る
1.ご紹介(Introduction)
この神社の正式名称や呼ばれ方 現在の住所と地図 祀られている神様や神社の歴史について ご紹介します
【神社名(Shrine name)】
湯船神社(Yubune Shrine)
(ゆぶねじんじゃ)
[通称名(Common name)]
【鎮座地 (Location) 】
東京都三宅島 三宅村神着
[地 図 (Google Map)]
【御祭神 (God's name to pray)】
不詳ながら 諸説あります
※『三宅島 明治18年 社寺明細帳』には
《主》佐伎多麻比咩命(Sakitamahime no mikoto)
※『三宅島史』昭和27年 三宅村役場には
《主》波夜志命(Hayashi no mikoto)
※『三宅島史考』昭和62年 廣瀬進吾 には
《主》氐良命(Tera no mikoto)
【御神格 (God's great power)】
【格 式 (Rules of dignity) 】
・『延喜式神名帳(engishiki jimmeicho)』所載社〈論社〉
・ 御笏神社(Oshaku Shrine)の境外社
【創 建 (Beginning of history)】
不詳
※『三宅島史考』昭和62年 廣瀬進吾 著 には
湯船神社 神域を穢すと海が荒れると伝う
【由 緒 (history)】
不詳
※明治7年(1874年)噴火の様子が良くわかります
ジオスポット焼場 Goo Sport - Yakeba
~明治7年(1874年)噴火で流出した溶岩流~Lava Flow of the 1874 Eruption
三宅島史によれば、「噴火は、明治7年(1874年)7月3日正午頃より始まり、雄山西北の中腹より大小の噴石を飛ばした。流出した溶岩により東郷集落の30軒余は埋没焼失した。翌4日は、坪田村のほうへ焼拡がり、5日は少し鎮まったが噴火は続いた。7日北東風晴れ。午前10時より雨、噴火は穏やかになり一同喜ぶ。流人の死者1名」とあります。このときの溶岩流が流れ下った一帯を焼場(やけば)と呼んでいます。
噴火から140年を経てすっかり緑が回復していますが、よく観察すると松やヤマザクラ、オオバヤシャプシの幼樹が多いのに気がつきます。海岸では、この溶岩流が観察でき、これを掘削して、湯の浜漁港が作られました。このとき流出した溶岩の中には、大きな灰長石(かいちょうせき)の結晶が目立ちます。
現地のジオスポット案内板より
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この神社の予備知識(Preliminary knowledge of this shrine)
この神社は 由緒(格式ある歴史)を持っています
『延喜式神名帳(engishiki jimmeicho)』(927年12月編纂)といって 平安時代中期に朝廷が作成した全50巻の律令格式の巻物の中でも重要視されている2巻です 内容は 今から約1100年前の全国の官社(式内社)一覧表で「2861社」の名称とそこに鎮座する神の数 天神地祇=「3132座」が所載されています
【延喜式神名帳】(engishiki jimmeicho)This record was completed in December 927 AD.
[旧 行政区分](Old administrative district)
(神様の鎮座数)東海道 731座…大52(うち預月次新嘗19)・小679
[旧 国 名 ](old county name)
(神様の鎮座数)伊豆国 92座(大5座・小87座)
[旧 郡 名 ](old region name)
(神様の鎮座数)賀茂郡 46座(大4座・小44座)
[名神大 大 小] 式内小社
[旧 神社名 ] 弖良命神社
[ふ り が な ](てらのみことの かみのやしろ)
[How to read ](Tera no mikoto no kamino yashiro)
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【オタッキーポイント】(Points selected by Japanese Otaku)
あなたが この神社に興味が湧くような予備知識をオタク視点でご紹介します
『延喜式神名帳(engishiki jimmeicho)』(927年12月編纂)
伊豆国 賀茂郡
弖良命神社(Tera no mikoto no kamino yashiro)の3つの論社について
・神澤神社(三宅島 伊豆)
-
神澤神社(三宅島 伊豆)
神沢神社(かんざわじんじゃ)は 『延喜式神名帳』(927年12月編纂)に所載される「弖良命神社(Tera no mikoto Shrine)」に比定される格式の高い由緒ある神社です 三宅島の伊豆にある神座山の太古の森の中に 静かに鎮座しています
続きを見る
・湯船神社(三宅島 神着)〈論社〉〈当社〉 片菅神社(かたすげじんじゃ)は 徳治2年(1307)創始と伝えますが この説は 若宮八幡神を合祀勧請した時のものとされ 別の説では 片菅神社の創祀は さらに以前であって 三宅島に鎮座する片菅神社を分霊したもので 伊豆地方では「若宮」とは「三島神の御子神」を意味し 7番目の御子名「かたすけ」とされます 続きを見る
片菅神社(片瀬白田)〈延喜式内社 片菅命神社の論社〉
・八王子社(下田市中)
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神社にお詣り(Pray at the shrine)
この神社にご参拝した時の様子をご紹介します
三宅一周道路 神着のバス停 湯舟グラウンドの横に鎮座しています
湯船神社(Yubune Shrine)に参着
道路脇に手水鉢が置かれていて 神社であることがわかります
そこから 森の奥を眺めると 岩のような物が見えるので近づきます
草に覆われていますが 玉石が並べられ 祭祀檀が築かれていています
その中に「溶岩(御神体)」が祀られています
「神域を穢すと海が荒れると伝う」と伝わりますので
どこからがご神域なのかわからないので
遠巻きに拝所の前にすすみます
賽銭を手前の玉石の上に置いて お祈りです
ご神威に添い給うよう願いながら礼 鎮まる御祭神に届かんと かん高い柏手を打ち 両手を合わせ祈ります
人びとが 活火山への畏れを神とする 原始信仰の姿を見つめる場です
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神社の伝承(Old tales handed down to shrines)
この神社にかかわる故事や記載されている文献などをご紹介します
『三宅記(miyakeki)』に記される伝承
三島大明神が 箱根の翁の娘3人を三宅島に迎え 后として3人を置きました
長女が 后神社(Kisaki Shrine)
《主》伊賀牟比賣命(Ikamuhime no mikoto)
次女が二宮神社(Ninomiya Shrine)
《主》伊波乃比咩命(Iwanohime no mikoto)
三女が御笏神社(Oshaku Shrine)
《主》佐伎多麻比咩命(Sakitamahime no mikoto)
とされています
この三女が御笏神社(Oshaku Shrine)のご祭神です
三宅島の三女〈三島大明神の第三の后神(佐岐多麻比咩命(sakitamahime no mikoto)〉は かまつけ(神着)という所に置かれ
その腹から8人の王子が 一度にお産まれになったと記されています
4番目の御子が 御祭神の「テイ」(氐良命(Tei no mikoto))です
意訳
三女〈三島大明神の第三の后神(佐岐多麻比咩命(sakitamahime no mikoto)〉は 三宅島の丑寅(うしとら)〈北東〉の方に置かれました
かまつけ(神着)という所です
その腹から8人の王子が 一度にお産まれになりました1番は「ナコ」
(南子命)〈南子神社or后神社境内社〉
2番は「カネ」
(加彌命)〈カミイノ宮〉
3番は「ヤス」
(夜須命)〈御嶽神社〉
4番は「テイ」
(氐良命)〈神澤神社or湯船神社〉
5番は「イタヒ」
(志理太宜命)〈椎取神社or志理太乎宜神社(片瀬白田)〉
6番は「クライ」
(久良惠命)〈久良浜神社【出張(でばり)】〉
7番は「カタスケ」
(片菅命)〈片菅神社or若宮神社or片菅神社(片瀬白田)〉
8番は「ヒンスケ」
(波夜志命)〈峯指神社or走湯神社(下田市大賀茂)〉
と申します又「ななはしら」と言うところでお育てになられました
ところどころに宮々を置かれました
【原文参照】国立公文書館デジタルアーカイブ 『三宅記』鎌倉時代末期 [書誌事項]写本 ,明治04年[旧蔵者]教部省
湯船神社(Yubune Shrine)に「拝 (hai)」(90度のお辞儀)
各々の神社の記事をご覧ください
母神 三島大明神の第三の后神
(佐岐多麻比咩命(sakitamahime no mikoto)を祀る神社
・御笏神社(Oshaku Shrine)
・祖師堂(Soshido)御笏神社の旧鎮座地
・椎取神社(三宅島神着)〈古社地〉
・両神社(下田市須崎)
・波夜多麻和氣神社(下田市相玉)
1番「ナコ」(南子命)を祀る神社
・南子神社(三宅島 神着)
・御笏神社(Oshaku Shrine)に合祀 三ノ朔幣神社(南子神社の遥拝所)
御笏神社の記事をご覧ください
・三ノ朔幣神社(san no sakuheino Shrine)旧鎮座地(三宅島 神着)
三ノ朔幣神社 旧鎮座地の記事をご覧ください
・后神社(Kisaki Shrine)境内社の南子神社
后神社(境内社の南子神社)の記事をご覧ください
・南子神社(下田市 神子元島)
※式内社調査報告には記されていますが 現在 神子元島には神社や祠は見あたりません
波風が強く 何度も消失したとも伝わります
https://www.google.com/maps/place/%E7%A5%9E%E5%AD%90%E5%85%83%E5%B3%B6/@34.5745212,138.9420112,18z/data=!4m12!1m6!3m5!1s0x0:0x237eb1d45e96afc7!2z5Lih56We56S-!8m2!3d34.6576!4d138.966645!3m4!1s0x60175b74a0a70383:0x2858da0c91ac6c3e!8m2!3d34.5745212!4d138.9420112
2番「カネ」(加彌命)を祀る神社
・カミイノ宮 御笏神社の本殿に合祀
・カミイノ宮 旧鎮座地(三宅島 神着 首山)※原生林の奥の為 未参拝です
・二宮神社【旧地】山ノ神(三宅島 神着 東郷)〈当社〉
・二宮神社(三宅島 坪田)(合祀先)〈論社〉
3番「ヤス」(夜須命)を祀る神社
・御嶽神社跡(三宅島 坪田)〈当社〉
・二宮神社(三宅島 坪田)〈合祀〉
・嶽比良神社(三宅島 伊豆) ※掟により入山禁止の為 未参拝
・子安宮(三宅島 神着)
4番「テイ」(氐良命)を祀る神社
・神澤神社(三宅島 伊豆)
・湯船神社(三宅島 神着)〈論社〉
湯船神社の記事をご覧ください
・八王子社(下田市中)
八王子社の記事をご覧ください
5番「イタヒ」(志理太宜命)を祀る神社
・椎取神社(三宅島神着)
・志理太乎宜神社(片瀬白田)
6番「クライ」(久良惠命)を祀る神社
・久良濱神社【出張(でばり)】
・久良濱神社(三宅島 坪田)
※未参拝 島民は「高山さん」は非常にこわい神様だとして恐れ足を踏み入れない
・二宮神社(三宅島 坪田)〈合祀〉
7番「カタスケ」(片菅命)を祀る神社
・片菅神社(三宅島 神着美茂井)
片菅神社の記事をご覧ください
・御笏神社 に合祀された境内神社の勝祖神社
御笏神社の記事をご覧ください
・若宮神社(三宅島 伊ヶ谷)后神社の境内社 もしくは 后神社の本殿に合祀
后神社(三宅島 伊ヶ谷)の記事をご覧ください
・若宮神社(三宅島 伊豆)后神社の境外社
若宮神社(三宅島 伊豆)の記事をご覧ください
・片菅神社(東伊豆町片瀬)
8番「ヒンスケ」(波夜志命)を祀る神社
・峯指神社(Hoshino kamino yashiro)御笏神社の本殿に合祀
・峯指神社(Hoshino kamino yashiro)旧鎮座地
・走湯神社(下田市大賀茂)