茂侶神社(松戸市小金原)〈『三代實録』茂侶神『延喜式』茂侶神社〉

茂侶神社(もろじんじゃ)は 延喜式内社 下總國 葛餝郡 茂侶神社(もろの かみのやしろ)の論社となっています 詳細は不明ですが 最初に論社と考えたと伝わるの水戸光圀公です この時 各種資料には 鎮座地が「栗ヶ沢」となっています

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目次

1.ご紹介(Introduction)

 この神社の正式名称や呼ばれ方 現在の住所と地図 祀られている神様や神社の歴史について ご紹介します

【神社名(Shrine name

茂侶神社(Moro shrine

通称名(Common name)

【鎮座地 (Location) 

千葉県松戸市小金原5-28-12

  (Google Map)

【御祭神 (God's name to pray)】

《主》大物主命(おほものぬしのみこと)

【御神徳 (God's great power)】(ご利益)

【格  (Rules of dignity) 

・ 国史に記載される神社
 〈六国史(『日本書紀』『続日本紀』『日本後紀』『続日本後紀』『日本文徳天皇録』『日本三代録』)に記載されている神社〉

・『延喜式神名帳engishiki jimmeicho 927 AD.所載社

【創  (Beginning of history)】

茂侶神社

仰々當神社は 今から凡そ壹千年前 古代平安時代の中期に完成した延喜式神名帳(九二七) によれば 下總国葛飾郡内二社中の一社で 正五位の格式社であり 祭神は大物主命である
中世室町時代 寛正二年(一四六一)二月にはこの地に本拠を置いた戦国大名高城下野守胤吉が當社の本殿及び拝殿を再建し 當地方の鎮守とし武運長久の祈願社としていた 近世 江戸時代の初期に至り 小金西新田(現小金原二・三・六・七町目の一部分)に在った水戸家所領 八拾参万平方米(約八拾参町歩)に黄門義公お鷹場の役所を設け 領地の南北に表裏二門を建て 放鷹を行っていたが 偶々 當社が正五位の格式社であることを知り 寛文四年(一六六四)四月家臣板野伊藤の両名を遣し 本殿拝殿の修復を行い 義公自ら茂侶社と書した扁額 を献じ 水戸家より代々祭典料を営繕料が給せられた
また現在の社名額は明治拾六癸未年二月七日明治大帝の御弟君 有栖川宮一品幟仁親王の御親筆であり この年代には社格が高木村々社となり 爾来 大祭(十月十七日)の祭典は村費により賄われ 祭禮は全村挙げての盛儀となり 司祭の神官は代々友野氏が担当していた その頃の神域参道百米に及ぶ両側には樹齢参百年以上の老樹鬱蒼と生い茂り昼なお暗く 特に本殿裏境内には七・八百年を超す老杉数拾本が天を摩して聳え 参詣者をして自ずと襟を正さしめる神威を四方に光放っていた 然るに昭和参拾八年日本住宅公団の小金原団地造成事業の施行により 境内は縮小され老樹も多く枯損し 現存の老木は椎六本と参道入口に樹齢凡そ五百年の老松を残すのみとなり 神域の景観は昔日の森厳さを失うに至った よって茲に会員一同 相い議し神域を整備して御神域の益々の隆盛ならむことを祈念し奉り併せて社史を後世に伝へるため碑に刻して永く御神徳の弥栄を希うものである

社頭石碑文より

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【由  (History)】

茂侶神社

延喜式に記された下総11座の神社のうちの茂侶神社はこの神社のことではないかと最初に考えたと伝わるのが水戸光圀、家臣の手紙や当時の栗ヶ沢村史にもこの神社が該当するとありますが、流山市の茂侶神社とする説もあり未だ確証がありません。境内には光圀が名付けたという「なんじゃもんじゃの樹」があります。

鳥居付近の二十六夜塔は天保年間昔の「二十六夜待ち」(旧暦1月・7月の26日の月の出を待って拝む)の信仰に由来するもので、市内では他に例がないそうです。

※「なんじゃもんじゃの樹」の伝説は松戸市上本郷の風早神社をはじめ各所に伝わります。千葉県では神崎町神崎神社のクスノキが有名です。

一般社団法人船橋市観光協会HPより
https://www.matsudo-kankou.jp/sightseeing/%E8%8C%82%E4%BE%B6%E7%A5%9E%E7%A4%BE/

神社の境内 (Precincts of the shrine)】

神社の境外 (Outside the shrine grounds)】

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この神社の予備知識(Preliminary knowledge of this shrine)

この神社は 大和朝廷による編纂書〈六国史・延喜式など〉に記載があり 由緒(格式ある歴史)を持っています

〇『風土記(ふどき)』和銅6年(713)
 『続日本紀』和銅6年(713)5月甲子の条が 風土記編纂の官命であると見られ 記すべき内容として下記の五つが挙げられていま

『風土記(ふどき)』和銅6年(713)の特徴について
1.国郡郷の名(好字を用いて)
2.産物
3.土地の肥沃の状態
4.地名の起源
5.古老の伝え〈伝えられている旧聞異事〉

現存するものは全て写本です
『出雲国風土記』がほぼ完本
『播磨国風土記』、『肥前国風土記』、『常陸国風土記』、『豊後国風土記』が一部欠損した状態

〇『六国史(りっこくし)』
  奈良・平安時代に編纂された官撰(かんせん)の6種の国史の総称

・『日本書紀』養老4年(720)完成
『續日本紀』延暦16年(797)完成
『日本後紀』承和7年(840)完成
『續日本後紀』貞観11年(869)完成
『日本文徳天皇実録』元慶3年(879)完成
『日本三代實録』延喜元年(901)完成

〇『延喜式(えんぎしき)』延長5年(927)完成
  平安時代中期に編纂された格式(律令の施行細則)全50巻 約3300条からなる

『日本三代實録(Nihon Sandai Jitsuroku)〈延喜元年(901年)成立〉』に記される伝承

下總 茂侶神神位が授けられと 記されています

【抜粋意訳】

卷二十 貞觀十三年(八七一)十一月十一日癸未

○十一日癸未


丹後國 從五位上 大河神 正五位下
下総國 從五位下 茂侶神 從五位下

【原文参照】

国立公文書館デジタルアーカイブス『日本三代実録』延喜元年(901年)成立 選者:藤原時平/校訂者:松下見林 刊本(跋刊)寛文13年 20冊[旧蔵者]紅葉山文庫 https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F1000000000000047721&ID=M2014093020345388640&TYPE=&NO

【抜粋意訳】

卷卅六 元慶三年(八七九)九月廿五日壬子

○廿五日壬子


河内國 從四位下 建水分神 從四位上
下総國 正五位下 茂侶神 正五位上

是夜、鴨河辛橋火。燒斷大半。

【原文参照】

国立公文書館デジタルアーカイブス『日本三代実録』延喜元年(901年)成立 選者:藤原時平/校訂者:松下見林 刊本(跋刊)寛文13年 20冊[旧蔵者]紅葉山文庫 https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F1000000000000047721&ID=M2014093020345388640&TYPE=&NO

国立公文書館デジタルアーカイブス『日本三代実録』延喜元年(901年)成立 選者:藤原時平/校訂者:松下見林 刊本(跋刊)寛文13年 20冊[旧蔵者]紅葉山文庫 https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F1000000000000047721&ID=M2014093020345388640&TYPE=&NO

『延喜式神名帳(Engishiki Jimmeicho)』(927年12月編纂)に所載〈This record was completed in December 927 AD.〉

延喜式Engishiki)律令の施行細則 全50巻』〈平安時代中期 朝廷編纂
その中でも910を『延喜式神名帳Engishiki Jimmeicho)といい 当時927年12月編纂「官社」に指定された全国の神社式内社の一覧となっています

「官社(式内社)」名称「2861
・「鎮座する天神地祇」数「3132座」

[旧 行政区分](Old administrative district)
(神様の鎮座数)東海道 731座…大52(うち預月次新嘗19)・小679

[旧 国 名 ](old county name)
(神様の鎮座数)下総國 11座(大1座・小10座)

[旧 郡 名 ](old region name)
(神様の鎮座数)葛飾郡 2座(並小)

[名神大 大 小] 式内小社

[旧 神社 名称 ] 茂侶神社
[ふ り が な ](もろの かみのやしろ)
[Old Shrine name]Moro no kaminoyashiro

【原文参照】

国立公文書館デジタルアーカイブス 延喜式 刊本(跋刊)[旧蔵者]紅葉山文庫https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F1000000000000004146&ID=M2014101719562090086&TYPE=&NO=画像利用

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【オタッキーポイント】This is the point that Otaku conveys.

あなたが この神社に興味が湧くような予備知識をオタク視点でご紹介します

延喜式内社 下總國 葛餝郡 茂侶神社(もろの かみのやしろ)の論社

・三輪神社(吉川市三輪野江)

・三輪茂侶神社(流山市三輪野山)

・茂侶神社(松戸市小金原)

・茂侶神社(船橋市東船橋)

・二宮神社(船橋市三山)

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【神社にお詣り】(Here's a look at the shrine visit from now on)

この神社にご参拝した時の様子をご紹介します

JR新松戸駅から 南東方向へ約3.2km 車での所要時間は15~16分程度

社殿 境内 参道 社頭は南を向いています

茂侶神社(松戸市小金原)に参着

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社頭の一の鳥居をくぐり抜けて進むと 参道の途中に二の鳥居があります

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二の鳥居をくぐり抜けると すぐに御神木があります

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参道の脇に どこかから移設された狛犬でしょうか

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「高木村社 茂侶神社」の年間行事表があります

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拝殿にすすみます

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賽銭をおさめ お祈りをします
ご神威に添い給うよう願いながら礼 鎮まる御祭神に届かんと かん高い柏手を打ち 両手を合わせ祈ります

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拝殿の向かって右手に〈境内社〉が祀られています

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社殿に一礼をして境内を戻ります
御神木の手前には〈境内社〉一宇祀られています

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神社の伝承】(I will explain the lore of this shrine.)

この神社にかかわる故事や記載されている文献などをご紹介します

『神社覈録(Jinja Kakuroku)〈明治3年(1870年)〉』に記される伝承

式内社 茂侶神社について 所在は゛栗ケ澤村に在す、゛〈現 茂侶神社(松戸市小金原)〉と記しています

【抜粋意訳】

茂侶神社

茂侶は假字也

○祭神 大日霊尊、月弓尊、素戔鳴尊、蛭尊、地名記

〇栗ケ澤村に在す、同上例祭 月日、

神位
 三代実録、
 貞観十三十一十一日癸未、授 下総國從五位下 茂侶神 從五位上、
 元慶二五日壬子、授 下総國正五位下 茂侶神 正五位上

【原文参照】

鈴鹿連胤 撰 ほか『神社覈録』下編 ,皇典研究所,1902. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/991015

『神祇志料(Jingishiryo)』〈明治9年(1876)出版〉に記される内容

式内社 茂侶神社について 所在は゛ 栗か澤村にあり、゛〈現 茂侶神社(松戸市小金原)〉と記しています

【抜粋意訳】

茂侶(モロノ)神社

 栗か澤村にあり、〔巡拝舊祠記、下總興地全圖、〕

清和天皇 貞観十三年十一月癸未、從五位下 茂侶神に從五位上を授く、
陽成天皇 元慶三年九月壬子、正五位下より正五位上を授く、〔三代実録〕〔〇按 本書 正五位下に叙されし年月、考る所なし、〕

【原文参照】

栗田寛 著『神祇志料』第12−14巻,温故堂,明9-20. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/815496

『特選神名牒(Tokusen Shimmyo cho)〈明治9年(1876)完成〉』に記される伝承

式内社 茂侶神社について 所在は゛三輪山村゛〈現 三輪茂侶神社(流山市三輪野山)〉と記しています

【抜粋意訳】

茂侶神社  三輪明神(明細帳三輪神社とあり)

祭神 大物主命

 今按 社號を茂呂と云は 三諸山のもろに由あり 村名を三輪山と云ひ三輪山と云ひ三輪明神と唱ふるを以て考ふるに祭神 大物主神なるべし 故今定めて記せり

神位
 请和天皇 貞観十三年十一月十一日癸未 授 下總從五下 茂侶神 從五位上
 陽成天皇 元慶三年九月二十五日壬子  下總國正五位下 茂侶神 正五位

祭日 正月八日
社格 村社

所在 三輪山村

 今 總國舊事考に 本社は千葉郡三明神なりとも 葛飾 意富比神社の末社とも  栗ヶ澤村にもありと云に 三輪山とを合せて四所あり その内三山は寒川神社なること上に云るが如くなれば 本社にはあらず 意富比末社と長島は疑はしければ取がたく 栗ケ澤は水戶源光圀の茂侶神社ならんかと疑はれしのみなるを 其神主の私に茂侶と云出しよりのことにて證あるにあらず
 されば三輪山村なる三輪明神 即本社ならんと云ひ 茂侶は御にて 古事記傳に御諸山は即 三輪山のことなりと云  國人 横田好が考にの近江を三輪と云ひ 土人説に往 大和国三輪の人来りて地を拓き 地を三輪山と名け三輪神を祭る三輪山 一に御山と云ひ 又 御母呂山とも云と云るが如く 村を三輪山と云ひ を茂呂と云ふも甚だ由あれば 今は此地と定めて記しつ

【原文参照】

教部省 編『特選神名牒』,磯部甲陽堂,1925. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1919019

茂侶神社(松戸市小金原) (hai)」(90度のお辞儀)

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-延喜式神名帳(Engishiki Jimmeicho)
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