【御神名(God's name)】 少彦名命 (sukunahikona nomikoto) 

【御神名】 (God's name)   

少彦名命 (sukunahikona nomikoto)
すくなひこなのみこと

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【御神名】の代表的な別名

『古事記』     ⇒ 少名毘古那神 (sukunahikona nokami)
『日本書紀』    ⇒ 少彦名命 (sukunahikona nomikoto)
『出雲国風土記』  ⇒ 須久奈比古命 (sukunahiko nomikoto)
『播磨国風土記』  ⇒ 小比古尼命 (sukunahikone nomikoto)
『宿那彦神像石神社』⇒ 宿那彦神 (sukunahiko nokami)
『佐香神社』    ⇒ 久斯神 (kusu nokami) ※酒造の神の意味
『手間天神社』   ⇒ 手間天神 (tematenjin)  など

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【御祭神の誕生(Birth of god)】

『古事記』 ⇒ 神産巣日神(Kaminusubi nokami) の御子神(子供)
『日本書紀』⇒ 高皇産霊神(Takamimusubi nokami)の御子神(子供) とされています

天地開闢の時 天之御中主神(amenominakanushi nokami)の次に高天原に出現した神が 神産巣日神・高皇産霊神で 造化の三神と呼ばれています

特に 高御産巣日神・神産巣日神は 皇室・朝廷に直接的に大きくに関係している神とされ『神祇官八神』として 八神殿 第一神殿と第二神殿で祀られる神様です

少彦名命 (sukunahikona nomikoto)
この造化の三神の御子であると『古事記』『日本書紀』が語る高貴な神様です

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【御神格(God's great power)】

『国造りの神』『農業神』『薬神・酒造神』『禁厭の神』『温泉の神』

『国造りの神』

『記紀』では 天津神である少彦名命は 神産巣日神の命により 国津神である大国主命と義兄弟となり 協力して国造りを成しとげた神話がある

『記紀』以外の風土記逸文『播磨風土記』『伊予国風土記』や山陰・四国・北陸などの地方伝承としても国造り神話がある

『農業神』

出雲國風土記では種の神として登場 又 粟に弾かれて常世国に至ったとも語られる穀霊神としての性格も持つ

『薬神・酒造神』

酒は古来から薬で 少名毘古那神が酒造技術を伝え広めた神であり 神功皇后が角鹿(敦賀)から還った第15代 応神天皇を迎えた宴で読んだ「酒楽の歌」に「少名御神」の名で登場するのはあまりにも有名

日本の製薬会社が集まる大阪の道修町には少彦名神社があります

『禁厭の神』

『日本書紀第八段 一書第六の条(720年)によれば「復顕見蒼生及び畜産の為は、其の病を療むる方を定む。又、鳥獣・昆虫の災異を攘はむが為は、其の禁厭むる法を定む。是を以て、百姓、今に至るまでに、咸に恩頼を蒙れり」

鳥獣や昆虫の害を禁厭(まじない)で防ぐ方法を定めたお蔭で 豊作を導いた農耕神であり 今に至るまで この国の民に 恩恵を与え続けている神と記載

『温泉の神』

日本最古の名湯 愛媛の道後温泉の開湯や有馬温泉など日本の有名な温泉の開湯の神 温泉も古来から薬湯としての効能を持ち薬神として祀られています 

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【水神 龍神】 + 【小さ子の信仰】 

国造の神 少彦名命は 波の彼方(常世の国)より 突然 来訪出現します

『古事記』では 天乃羅摩船(あめのかがみのふね)※「一説には かがみ とは龍神ともされています」に乗って 鵝(ひむし)の皮の着物を着ており 美保の海辺(水の世界)から出雲の國に上陸し 大国主命と共に国を創ります

日本の昔話には数々の「小さ子」伝説がありますが そのモチーフは少彦名命が源流とされています ほとんどの話は 水の世界と関わっており やがて 富を得ます 水神や龍神にまつわる信仰の基礎的な存在としても見られています

皆さんが よくご存じの 一寸法師は 御椀を船に 箸を櫂にし(水の世界) 針を刀の代わりにして鬼退治に向かいます 勝利の後は 打出の小槌を振って豊かに暮らします

そのほかにも 誕生の際に異常に小さく生まれる桃太郎・かぐや姫なども「小さ子」伝説になりますし

東北地方で有名な「座敷童子」(ざしきわらし)も その起源には諸説ありますが 河童を正体とする説も多くあり 川の淵に住む河童が近くの家で悪戯をするものが座敷童子とする話 その河童が そのまま人家に住み着いて座敷童子となった話など 水の世界から来て その家に富をもたらす「小さ子」伝説と同様です めでたし愛でたし  

【おもしろ話】

少彦名命の神話は「常世の国」異界から来た主人公が貧しい国人を助け 国を富ませた後に再び「常世の国」異界へ去っていくという構造を持ちますが

この世におられたときに神話とは思えないような 力の限り 意地を張る 愉快な話がありますので おもわず笑みながら ご紹介します 

『播磨風土記』にある国造りの神としての逸話では 大国主命と少彦名命が 我慢比べをします

この2柱は 埴(はに)と呼ばれる重い赤土の粘土を背負って歩くのと 大便や尿意を我慢して歩くのと どちら大変で どちらが遠くまで歩けるのかという我慢比べを始めます

大国主命は うんち(生理欲求)を我慢 少彦名命は埴土(重荷)を背負いながら お互いが負ける者かと 我慢比べが数日間におよんで続きます

最初は気楽にすすみましたが・・・

ついに
大国主命が我慢の限界を超えて「たまらん」とその場で大便をしてしまいます
その便は笹の葉に弾かれて 大国主命の着物に付きましたので その場所は『波自賀村(はじかのむら)』と名付けられて 今も残っています

現在の初鹿野山(はじかのやま)とその周辺が 波自賀村だとされています

一方 少彦名命は 大国主命の負けた姿を見て「私も苦しかったな」と笑いながら話し 道端に埴を投げ出しましたので 投げ出されて出来た丘を『埴岡(はにおか)』と名付けたと云われています

物語では「埴と便は その後 固まり石になりました」と伝わり

なんと 現在でも この伝承地がのこっていて日吉神社(兵庫県神崎郡神河町比延(ひえ) 鎮座)は『埴岡の里』であるとされています
その日吉神社の社殿の裏山(中腹)には 少彦名命が投げた埴から出来たとされる巨石があり 神籬として注連縄をかけて祀られています
多分 本当の話だったのですね

それから時代が降って 第15代の応神天皇がこの地を訪れた時に「この土は土器造りに適している」と言われたので『埴岡(はにおか)』という地名になったとの伝承もあります

兄弟同然の神様同士が「力の限界」「意地の張り合い」をされたお話でした

【御祭神を祀る神社(God is at this shrine)】(お詣りをしました)

各地の少彦名神社

【北海道】

北海道神宮(北海道札幌市中央区)

【東北】

遠野郷八幡宮(岩手県遠野市松崎町)
六神石神社(岩手県遠野市青笹町中沢)
志賀理和氣神社(岩手県紫波郡紫波町桜町)
波宇志別神社(秋田県横手市大森町八沢木字保呂羽)
湯殿山神社(山形県鶴岡市)
湯殿山神社 本道寺口之宮(山形県西村山郡西川町)
出羽神社 三神合祭殿(山形県鶴岡市羽黒町手向字羽黒山)
由豆佐賣神社(山形県鶴岡市)
遠賀神社(山形県鶴岡市井岡)
六所神社(山形県鶴岡市三和)
温泉石神社(宮城県大崎市鳴子温泉字川渡)
温泉神社(宮城県大崎市鳴子温泉湯元)
鹿島天足別神社(宮城県黒川郡富谷町大亀)
飯野山神社(宮城県石巻市飯野字宮下)
石上神社(宮城県東松島市浜市東浮足)
鹿島神社(福島県伊達郡国見町大字藤田)
東屋沼神社(福島県福島市飯坂町)
温泉神社(福島県いわき市常磐湯本町)
大國魂神社(福島県いわき市平菅波字宮前)

【甲信越】

五社神社(山梨県北杜市明野町)
金櫻神社(山梨県甲府市御岳町)
金櫻神社(山梨県山梨市牧丘町)
金櫻神社(山梨県山梨市歌田)
山梨岡神社(山梨県山梨市下石森)
穴切大神社(山梨県甲府市)
中尾神社(山梨県笛吹市一宮町中尾)
中尾神社(山梨県笛吹市八代町米倉)
大滝神社(山梨県北杜市小淵沢町)
総社神社(新潟県佐渡市吉岡)
大神社 (新潟県糸魚川市)
圓田神社(新潟県上越市名立区)
一宮神社(新潟県南魚沼市)
阿比多神社(新潟県上越市)
諏訪神社(新潟県魚沼市四日町)
槻田神社(新潟県三条市大字月岡)
雨宮坐日吉神社(長野県千曲市雨宮)
高杜神社 中社 (長野県中野市)
笠原神社(長野県中野市)
御嶽神社 里社本社(長野県木曽郡木曽町三岳)
御嶽神社 里社若宮(長野県木曽郡木曽町三岳)
御嶽神社 里宮(長野県木曽郡王滝村)
粟野神社(長野県長野市上野)
粟狭神社(長野県千曲市大字粟佐字宮内宮浦)
大伴神社(長野県佐久市望月字御桐谷)
塩野神社(長野県上田市前山字塩野)
須須岐水神社(長野県千曲市大字屋代)

【関東】

酒列磯前神社(茨城県ひたちなか市)
大洗磯前神社(茨城県大洗町)
阿波山上神社(茨城県東茨城郡城里町)
有賀神社(茨城県水戸市有賀町)
佐波々地祇神社(茨城県北茨城市大津町)
伊香保神社(群馬県渋川市伊香保町)
若伊香保神社(群馬県渋川市有馬)
小祝神社(群馬県高崎市)
二宮赤城神社(群馬県前橋市二之宮町)
三宮神社(群馬県北群馬郡吉岡町)
大田原神社(栃木県大田原市)
温泉神社(栃木県大田原市)
温泉神社(栃木県那須郡那須町湯本)
胸形神社(栃木県鹿沼市村井町)
鷲子山上神社(栃木県那須郡那珂川町矢又)
神崎神社(千葉県香取郡神崎町本宿)
神田神社(東京都千代田区)二之宮のご祭神
布多天神社(東京都調布市)
穴澤天神社(東京都稲城市)
阿豆佐味天神社(東京都西多摩郡瑞穂町)
五條天神社(東京都台東区上野公園)
芝大神宮(東京都港区芝大門)
鎧神社 (東京都新宿区北新宿)
田中神社(埼玉県熊谷市三ヶ尻)
氷川神社 境内 天津神社 御嶽神社(埼玉県さいたま市大宮区高鼻町)
三輪神社(埼玉県吉川市三輪野江)

【東海】

湯前神社(静岡県熱海市)
杉桙別命神社(静岡県賀茂郡河津町)
赤王神社(静岡県三島市大場)
満宮神社(静岡県田方郡函南町)
十二社神社 (静岡県掛川市)
飽波神社(静岡県藤枝市)
丸子神社(静岡県沼津市浅間町)
別雷神社(静岡県静岡市葵区七間町)
静岡浅間神社 境内 少彦名神社 (静岡県静岡市葵区宮ケ崎町)
服織田神社(静岡県牧之原市静波)
敬満神社(静岡県島田市阪本)
三嶽神社(静岡県浜松市北区引佐町)
諏訪神社(静岡県湖西市新居町新居)
武並神社(岐阜県恵那市大井町)
神田神社(岐阜県加茂郡東白川村)
水無神社(岐阜県高山市一之宮町石原)
少彦名神社(愛知県名古屋市中区)
広沢天神社(愛知県豊田市猿投町)
大野神社(愛媛県今治市玉川町大野)
阿志神社(愛知県田原市芦町柿ノ木)
敢國神社(三重県伊賀市)
阿波神社(三重県伊賀市下阿波)
猪田神社(三重県伊賀市猪田)
春日神社(三重県伊賀市西山)
名居神社(三重県名張市下比奈知)
植木神社(三重県伊賀市平田)
鸕宮神社(三重県伊賀市島ケ原)
葦神社 (三重県伊賀市上阿波)

【北陸】

櫟原神社(富山県滑川市神明町)
淺井神社(富山県高岡市石堤)
櫛田神社(富山県射水市串田)
糸岡神社(富山県小矢部市五社)
臼谷八幡宮(富山県小矢部市臼谷)
八心大市比古神社(富山県黒部市三日市)
静志神社(福井県大飯郡おおい町)
麻氣神社(福井県丹生郡越前町)
大洗磯崎神社(福井県丹生郡越前町)
足羽神社(福井県福井市足羽)
石田神社(福井県鯖江市石田上町)
加茂廼神社(福井県福井市鮎川町)
篠座神社(福井県大野市篠座)
總社大神宮(福井県越前市京町)
與須奈神社(福井県福井市下市町)
宿那彦神像石神社(石川県七尾市)
宿那彦神像石神社(石川県中能登町)
穴水大宮(石川県鳳珠郡穴水町)
日吉神社(石川県七尾市中島町豊田町)
波自加弥神社(石川県金沢市花園八幡町)
笠間神社(石川県白山市笠間町)
金劔宮 (石川県白山市鶴来日詰町)
楢本神社(石川県白山市宮丸)
櫛比神社(石川県輪島市門前町)
大穴持美代神社(石川県羽咋郡志賀町梨谷小山)
大穴持像石神社(石川県羽咋市寺家町)
能登生国玉比古神社(石川県鹿島郡中能登町金丸)
能登部神社(石川県鹿島郡中能登町能登部上)
能登比咩神社(石川県鹿島郡中能登町能登部下)
本村井神社(石川県白山市村井町)
加夫刀比古神社(石川県鳳珠郡穴水町)
古麻志比古神社 境内はじかみさま(石川県珠洲市若山町字経念)

【近畿】

沙沙貴神社(滋賀県近江八幡市安土町常楽寺)
大荒比古神社(滋賀県高島市新旭町安井川)
五條天神社(京都府京都市下京区)
由岐神社(京都府京都市左京区鞍馬本町)
出雲路幸神社(京都府京都市上京区)
下鴨神社 境内 由木社(京都府京都市左京区下鴨)
少彦名神社 (大阪府大阪市中央区道修町)
生根神社(大阪府大阪市住吉区)
生根神社(大阪府大阪市西成区):同市住吉区の生根神社より分祀
大江神社(大阪府大阪市天王寺区)
桑津天神社(大阪府大阪市東住吉区)
服部天神宮(大阪府豊中市)
漢國神社(奈良県奈良市)
大神神社(奈良県桜井市)
磐座神社(奈良県桜井市)
忍坂坐生根神社(奈良県桜井市)
大名持神社(奈良県吉野郡吉野町河原屋)
大直禰子神社(奈良県桜井市大字三輪字若宮)
吉野水分神社(奈良県吉野郡吉野町吉野山)
石上市神社(奈良県天理市)
天神社(奈良県奈良市高畑町)
加太淡島神社(和歌山県和歌山市)
志筑神社(兵庫県淡路市志筑)
笶原神社 東宮 (兵庫県南あわじ市)
伊和神社(兵庫県宍粟市一宮町)
十二所神社(兵庫県姫路市)
手谷神社(兵庫県朝来市)
佐々伎神社(兵庫県豊岡市但東町)
青倉神社(兵庫県朝来市山内)
春來神社(兵庫県美方郡新温泉町)
伊由神社(兵庫県朝来市伊由市場)
養父神社(兵庫県養父市養父市場)

【中国】

國坂神社(鳥取県東伯郡北栄町)
粟島神社(鳥取県米子市彦名町)
波波伎神社(鳥取県倉吉市福庭)
倭文神社(鳥取県東伯郡湯梨浜町)
大江神社(鳥取県八頭郡八頭町橋本)
國廳裏神社(鳥取県倉吉市国分寺)
大神山神社(鳥取県米子市尾高)
志加奴神社(鳥取県鳥取市気高町宿)
多居乃上神社(鳥取県鳥取市国府町広西)
揖夜神社(島根県松江市東出雲町揖屋)
来阪神社(島根県出雲市矢尾町)
三澤神社(島根県仁多郡奥出雲町)
大森神社(島根県松江市宍道町)
玉造湯神社(島根県松江市玉湯町)
万九千神社(島根県出雲市斐川町)
鳥屋神社(島根県出雲市斐川町)
佐香神社(島根県出雲市小境町)
加多神社(島根県雲南市)
佐比賣山神社(島根県大田市三瓶町)
静間神社(島根県大田市静間町)
出雲路幸神社 境内 佐為高守神社(島根県安来市西松井町)
賀茂神社(島根県邑智郡邑南町阿須那)
熊野大社 境内 稲田神社(島根県松江市八雲町熊野)
松尾神社(島根県出雲市小境町)
小野神社(島根県益田市戸田町)
穴門山神社(岡山県倉敷市真備町妹字諏訪下)
吉備津彦神社(岡山県岡山市北区一宮)
大神神社(岡山県岡山市中区四御神字土師之森)
天神社 (岡山県岡山市北区津島福居)
天神社 (岡山県岡山市北区三野本町)
大滝神社 (広島県福山市)
吉備津神社 境内 疱瘡神社(広島県福山市新市町宮内)
甘南備神社(広島県府中市出口町)
赤田神社(山口県山口市)

【四国】

飯神社 (香川県丸亀市飯野町)
加麻良神社(香川県観音寺市)
医家神社(徳島県三好市池田町)
羽浦神社(徳島県阿南市羽ノ浦町中庄千田池)
勝占神社(徳島県徳島市勝占町中山)
宇志比古・宇志比売神社(徳島県鳴門市大麻町板東牛ノ宮)
大須伎神社(愛媛県今治市)
姫坂神社 境内 青木神社(愛媛県今治市宮下町)
湯神社 (愛媛県松山市道後湯之町)
少彦名神社 (愛媛県大洲市)

【九州 沖縄】

惣社八幡神社(福岡県京都郡みやこ町国作惣社)
櫛田神社 境内 少彦名神社(福岡県福岡市博多区上川端町)
住吉神社 境内 少彦名神社(福岡県福岡市博多区住吉)
健男霜凝日子神社下宮 (大分県竹田市神原)
西寒田神社(大分県臼杵市野津町西寒田神尾)
粟嶋神社(熊本県宇土市新開町)
國片主神社(長崎県壱岐市)
爾自神社(長崎県壱岐市郷ノ浦町)
阿多彌神社(長崎県壱岐市勝本町立石東触)
大穴持神社(鹿児島県霧島市国分広瀬)
波上宮 (沖縄県那覇市若狭)

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-神話の舞台

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