大神社 旧鎮座地(松阪市深長町)〈延喜式内社の旧鎮座地〉

大神社 旧鎮座地(おおみわじんじゃ きゅうちんざち 明治四十一年1908高福神社〈現 伊勢寺神社に合祀された 延喜式内社 伊勢國 飯高郡 大神社(おほみわの かみのやしろ)の旧跡地です 現在は地域の鎮守の森のような存在で かつて境内にあった泉は 近隣の田畑を潤し 松坂城主の茶の湯にも使用されたと云う

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目次

1.ご紹介(Introduction)

 この神社の正式名称や呼ばれ方 現在の住所と地図 祀られている神様や神社の歴史について ご紹介します

【神社名(Shrine name

大神社 旧鎮座地(The former site of Ohomiwa Shrine)

通称名(Common name)

旧鎮座地は 現在「泉の森」と呼ばれています

【鎮座地 (Location) 

三重県松阪市深長町546

  (Google Map)

【御祭神 (God's name to pray)】

《主》大物主命が祀られていました

【御神徳 (God's great power)】(ご利益)

【格  (Rules of dignity) 

・『延喜式神名帳engishiki jimmeicho 927 AD.所載社の旧社地

【創  (Beginning of history)】

創建年代不詳
一説には 大宝年間(701~704年)以前と云う

【由  (History)】

泉の森

 旧大神神社の境内にて泉があるので泉の森を呼ばれている。
この水で近隣の水田を養っており  松阪城主 古田織部正が茶の湯に使用したので 城主より社領として十石を給わって居た。

 大神神社は大物主を祀り 延喜神名帳五鈴遺響に記述されており一志郡、飯南郡の祖を祀り 飯南郡 第一の大社と言われていたが 明治四十一年 伊勢寺 高福神社に合祀された

現地案内板より

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神社の境内 (Precincts of the shrine)】

神社の境外 (Outside the shrine grounds)】

大神社は 明治四十一年 伊勢寺 高福神社〈現 伊勢寺神社に合祀されました

・伊勢寺神社(松阪市伊勢寺町)〈合祀〉

この神社の予備知識(Preliminary knowledge of this shrine)

この神社は 大和朝廷による編纂書〈六国史・延喜式など〉に記載があり 由緒(格式ある歴史)を持っています

〇『六国史(りっこくし)』
  奈良・平安時代に編纂された官撰(かんせん)の6種の国史〈『日本書紀』『續日本紀』『日本後紀』『續日本後紀』『日本文徳天皇実録』『日本三代實録』〉の総称

〇『延喜式(えんぎしき)』
  平安時代中期に編纂された格式(律令の施行細則)

〇『風土記(ふどき)』
 『続日本紀』和銅6年(713)5月甲子の条が 風土記編纂の官命であると見られ 記すべき内容として下記の五つが挙げられています

1.国郡郷の名(好字を用いて)
2.産物
3.土地の肥沃の状態
4.地名の起源
5.古老の伝え〈伝えられている旧聞異事〉

現存するものは全て写本

『出雲国風土記』がほぼ完本
『播磨国風土記』、『肥前国風土記』、『常陸国風土記』、『豊後国風土記』が一部欠損した状態

『延喜式神名帳(Engishiki Jimmeicho)』(927年12月編纂)に所載〈This record was completed in December 927 AD.〉

延喜式Engishiki)律令の施行細則 全50巻』〈平安時代中期 朝廷編纂
その中でも910を『延喜式神名帳Engishiki Jimmeicho)といい 当時927年12月編纂「官社」に指定された全国の神社式内社の一覧となっています

「官社(式内社)」名称「2861
・「鎮座する天神地祇」数「3132座」

大神神社(深長町字泉)〈明治41年(1908)伊勢寺神社松阪市伊勢寺町合祀〉 

[旧 行政区分](Old administrative district)
(神様の鎮座数)東海道 731座…大52(うち預月次新嘗19)・小679

[旧 国 名 ](old county name)
(神様の鎮座数)伊勢國 253座(大18座・小235座)

[旧 郡 名 ](old region name)
(神様の鎮座数)飯高郡 9座(並小)

[名神大 大 小] 式内小社

[旧 神社 名称 ] 大神社
[ふ り が な ]おほみわの やしろ
[Old Shrine name]Ohomiwa no kaminoyashiro

【原文参照】

国立公文書館デジタルアーカイブス  延喜式 刊本(跋刊)[旧蔵者]紅葉山文庫https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F1000000000000004146&ID=M2014101719562090086&TYPE=&NO=画像利用

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【オタッキーポイント】This is the point that Otaku conveys.

あなたが この神社に興味が湧くような予備知識をオタク視点でご紹介します

大神神社(桜井市三輪)の分霊(わけみたま)と思われる式内社の類社について

①〈大神社 各一座

伊勢國 飯高郡 大神社

・伊勢寺神社(松阪市伊勢寺町)〈合祀〉

・〈旧鎮座地〉大神社(松阪市深長町)

伊勢國 朝明郡 大神社
太神社四日市市大鐘町
太神社旧跡(四日市市大鐘町
・大神社いなべ市大安町
石部神社四日市市朝明町

下野國 都賀郡 大神社
大神神社栃木市惣社町
太平山神社奥宮栃木市平井町
太平山神社栃木市平井町

越後国 頚城郡 大神社
天津神社糸魚川市一の宮
大神社糸魚川市平
大野神社糸魚川市大野)
藤崎神社糸魚川市藤崎
関山神社妙高市関山

因幡國 巨濃郡 大神社
美取神社岩美町太田
荒砂神社岩美町浦富
御湯神社岩美町岩井
多居乃上神社鳥取市国府町

➁〈大神神社 各一座

尾張国 中島郡 大神神社 名神大
大神神社一宮市花池

尾張国 中島郡神神社
大神社一宮市大和町

遠江國 濱名郡 大神々社
二宮神社湖西市新居町
大神山八幡宮湖西市大知波
神明神社湖西市白須賀
神田神社湖西市新居町
熱田神社湖西市吉美

美濃國 多芸郡 大神神社
大神神社大垣市上石津町
梶谷八幡神社海津市海津町

➂〈大神神社 四座

備前國 上道郡 大神神社 四座
大神神社岡山市中区四御神

④〈大神神社 各一座

阿波國 名方郡 大御和神社
大御和神社徳島市国府町

駿河益頭郡 神神社
神神社岡部町三輪

備中國下道郡 神神社
神神社総社市八代宮山
嚴島神社総社市真壁

➄〈美和神社 各一座

信濃國 水内郡 美和神社
美和神社長野市三輪

上野國 山田郡 美和神社
美和神社桐生市宮本町

備前國 邑久郡 美和神社

美和神社瀬戸内市長船町
広高神社若宮八幡宮 境内社〉(瀬戸内市邑久町
美和神社多賀神社 境内〉(瀬戸内市長船町
美和神社瀬戸内市長船町

⑥〈三和神社 三輪神社 彌和神社

下野國 那須郡 三和神社
三和神社那珂川町三輪

若狭国 遠敷郡 彌和神社
彌和神社小浜市加茂

加賀国 加賀郡 三輪神社
石浦神社金沢市本多町
加茂神社津幡町加茂
三輪神社津幡町北中条

詳しくは

大神神社(桜井市三輪)の分霊(わけみたま)と思われる式内社 に移る

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【神社にお詣り】(For your reference when visiting this shrine)

この神社にご参拝した時の様子をご紹介します

松坂駅から県道59号を西へ約6km 車で15分程度

県道59号 泉の森入口の交差点を左折〈南に折れる〉すると直ぐです

案内板があります

大神社 旧鎮座地(松阪市深長町)に参着

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仏像のおさめられた祠〈お堂〉がありますので 賽銭をおさめ お祈りをします

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かつて 境内には 泉があり 近隣の田畑を潤し 松坂城主の茶の湯にも使用されたと云います
現在もあるのか とうかわかりませんが
祠の前を 湧水のような清らかな小川が流れています

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神社の伝承】(I will explain the lore of this shrine.)

この神社にかかわる故事や記載されている文献などをご紹介します

『神社覈録(Jinja Kakuroku)〈明治3年(1870年)〉』に記される伝承

式内社 大神社について 所在は゛深長村に在す 泉之明神とす、゛〈現 〈旧鎮座地〉大神社(松阪市深長町)〉と記しています

【抜粋意訳】

大神

大神は於保美和と訓べし

〇祭神 大己貴命

○深長村に在す、考証、俚諺 泉之明神とす、

 勢陽俚諺云、一説川俣谷、作瀧村高宮是なると云り、

類社
 大和國城上郡 大神大物主神社の條見合すべし

【原文参照】

鈴鹿連胤 撰 ほか『神社覈録』上編 ,皇典研究所,1902. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/991014

『神祇志料(Jingishiryo)』〈明治9年(1876)出版〉に記される内容

式内社 大神社について 所在等は 記されていません

【抜粋意訳】

大神社

〔〇按 本書一本に、神字の下又 神字あり、〕

【原文参照】

栗田寛 著『神祇志料』第10,11巻,温故堂,明9-20. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/815495

『特選神名牒(Tokusen Shimmyo cho)〈明治9年(1876)完成〉』に記される伝承

式内社 大神社について 所在は゛三重縣深長村(高福神社に合併)゛〈現 〈旧鎮座地〉大神社(松阪市深長町)を〈合祀〉伊勢寺神社(松阪市伊勢寺町)〉と記しています

【抜粋意訳】

大神神社 稱 大和天明神  泉明神

今按 式の刊木一神字を脱す 貞享本に從て補す

祭神 大物主神

祭日 六月十六日
社格 村社

所在 三重縣深長村(高福神社に合併)

 今按るに 本社に古額あり 大和大明神と記す 大和はやまと訓するにあらず おほわと訓すべし おほむわの假借なり 社前に靈泉あり 依て土俗 泉明神といふ 

【原文参照】

教部省 編『特選神名牒』,磯部甲陽堂,1925. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1919019

大神社 旧鎮座地(松阪市深長町) (hai)」(90度のお辞儀)

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伊勢国 式内社 253座(大18座・小235座)についてに戻る

 

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