神益麻志神社(かんますましじんじゃ)は 創建年代は不詳です 式内社 大朝神社の論社〈神益村の駒形神社〉で 祭神 長白羽命は麻の神で 社名にも゛麻゛があります 又 式内社 伊加麻志神社については『伊豆國式社考』に「中島村神益村ト同村ナリ コノ里ノ神社カ 又湯ケ島ノ神社カ 益山ノ神社カ」とあり 論社となっています

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目次
1.ご紹介(Introduction)
この神社の正式名称や呼ばれ方 現在の住所と地図 祀られている神様や神社の歴史について ご紹介します
【神社名(Shrine name)】
神益麻志神社(Kanmasumashi shrine)
【通称名(Common name)】
【鎮座地 (Location) 】
静岡県伊豆の国市神島1307
【地 図 (Google Map)】
【御祭神 (God's name to pray)】
《主》長白羽命(ながしらはのみこと)
【御神徳 (God's great power)】(ご利益)
【格 式 (Rules of dignity) 】
・『延喜式神名帳(engishiki jimmeicho )927 AD.』所載社
【創 建 (Beginning of history)】
創建年代不詳
『豆州志稿〈明治21-28年〉』に記される内容
神島村 元神益の駒形権現が 村社 神益麻志神社であると記されています
【抜粋意訳】
駒形權現 神島村 元神益 〈村社 神益麻志神社 祭神不祥〉
神主は 男女の木像也 亦 祠内に木造の偶馬を藏む 頗る古物也 蓋 駒形の稱の起因なる可し 初 白馬明神と稱すと云
大永の礼存す〔按 近の地に禰宜屋敷と稱 存す〕
〇尤も古祠と見ゆ
別殿一 山神、琴平、稲荷、水神を合祀
三百七十一坪
【原文参照】

秋山章 著 ほか『豆州志稿』巻之8,栄樹堂,明21-28. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/765147
【由 緒 (History)】
『狩野川をめぐる祭と信仰』に記される内容
③神益麻志神社
狩野川左岸の神島地区の鎮守である神益麻志(かんますまし) 神社の境内は、長年にわたって後述する「かわかんじょう」で用いられる筏の材料となる藁縄を作る場所となっていた。祭神は長白羽命(ながしらはのみこと)他四柱である。入母屋造平入鋼板葺の拝殿と覆屋があり、流造の本殿を納める。天保13年(1842)の棟札が伝来している。
伊豆の国市 発行PDF
https://www.city.izunokuni.shizuoka.jp/tosikei/documents/nisyu21.pdf
かわかんじょう
毎年8月1日の夕刻に行われる伝統行事で、暴れ川とされた狩野川の水霊を鎮め、水害から村を守るためと水難者を供養するための盆の行事です。
約3m四方の竹枠に麦藁を敷き詰め、厚さ1m程のイカダを作り、その中央に長さ5〜6mの松明を立てます。これを狩野川の神益麻志(かみますまし)神社下あたりまで運んで、松明に火をつけ、十人ほどの若者が操り、「ウ、ウ、ウワハイ」と囃し、これを神島橋の上にいる子どもたちが受けて返し、神島橋の下流まで囃子声と共に松明が燃え尽きるまで流していきます。
伊豆の国市観光協会HPより
https://izunotabi.com/schedule_month/august/
【神社の境内 (Precincts of the shrine)】
【神社の境外 (Outside the shrine grounds)】
この神社の予備知識(Preliminary knowledge of this shrine)
この神社は 大和朝廷による編纂書〈六国史・延喜式など〉に記載があり 由緒(格式ある歴史)を持っています
〇『六国史(りっこくし)』
奈良・平安時代に編纂された官撰(かんせん)の6種の国史〈『日本書紀』『續日本紀』『日本後紀』『續日本後紀』『日本文徳天皇実録』『日本三代實録』〉の総称
〇『延喜式(えんぎしき)』
平安時代中期に編纂された格式(律令の施行細則)
〇『風土記(ふどき)』
『続日本紀』和銅6年(713)5月甲子の条が 風土記編纂の官命であると見られ 記すべき内容として下記の五つが挙げられています
1.国郡郷の名(好字を用いて)
2.産物
3.土地の肥沃の状態
4.地名の起源
5.古老の伝え〈伝えられている旧聞異事〉
現存するものは全て写本
『出雲国風土記』がほぼ完本
『播磨国風土記』、『肥前国風土記』、『常陸国風土記』、『豊後国風土記』が一部欠損した状態
『延喜式神名帳(Engishiki Jimmeicho)』(927年12月編纂)に所載〈This record was completed in December 927 AD.〉
『延喜式(Engishiki)律令の施行細則 全50巻』〈平安時代中期 朝廷編纂〉
その中でも巻9・10を『延喜式神名帳(Engishiki Jimmeicho)』といい 当時〈927年12月編纂〉「官社」に指定された全国の神社(式内社)の一覧となっています
・「官社(式内社)」名称「2861社」
・「鎮座する天神地祇」数「3132座」
神益麻志神社(伊豆の国市神島)は 二つの式内社〈①伊加麻志神社②大朝神社〉の論社となっています
①伊加麻志神社
[旧 行政区分](Old administrative district)
(神様の鎮座数)東海道 731座…大52(うち預月次新嘗19)・小679[旧 国 名 ](old county name)
(神様の鎮座数)伊豆國 92座(大5座・小87座)
[旧 郡 名 ](old region name)
(神様の鎮座数)田方郡 24座(大1座・小23座)
[名神大 大 小] 式内小社
[旧 神社 名称 ]伊加麻志神社
[ふ り が な ](いかましの かみのやしろ)
[Old Shrine name](Ikamashi no kaminoyashiro)
②大朝神社
[旧 行政区分](Old administrative district)
(神様の鎮座数)東海道 731座…大52(うち預月次新嘗19)・小679[旧 国 名 ](old county name)
(神様の鎮座数)伊豆國 92座(大5座・小87座)
[旧 郡 名 ](old region name)
(神様の鎮座数)田方郡 24座(大1座・小23座)
[名神大 大 小] 式内小社
[旧 神社 名称 ] 大朝神社
[ふ り が な ](をほあさの かみのやしろ)
[Old Shrine name](Wohoasa no kaminoyashiro)
【原文参照】

国立公文書館デジタルアーカイブス 延喜式 刊本(跋刊)[旧蔵者]紅葉山文庫https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F1000000000000004146&ID=M2014101719562090086&TYPE=&NO=画像利用
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【オタッキーポイント】(This is the point that Otaku conveys.)
あなたが この神社に興味が湧くような予備知識をオタク視点でご紹介します
延喜式内社 伊豆國 田方郡 伊加麻志神社(いかましの かみのやしろ)の論社
・伊加麻志神社(伊豆市堀切)
・神益麻志神社(伊豆の国市神島)
延喜式内社 伊豆國 田方郡 大朝神社(をほあさの かみのやしろ)の論社
・大宮神社〈白岩大朝神社〉(伊豆市上白岩)
・大朝神社(沼津市下香貫)
・神益麻志神社(伊豆の国市神島)
・赤王神社(三島市大場)
・鷲頭神社 奥宮(沼津市大平)
・鷲頭神社(沼津市大平)
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【神社にお詣り】(Here's a look at the shrine visit from now on)
この神社にご参拝した時の様子をご紹介します
伊豆箱根鉄道 駿豆線 田京駅から南西方向へ約2.4km 狩野川を渡り車で7分程度
石垣の上に社号標と鳥居が建ちます
神益麻志神社(伊豆の国市神島)に参着

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社号標には゛神益麻志神社゛と刻字があります

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鳥居の扁額にも゛神益麻志社゛
一礼をして 鳥居をくぐり抜けます

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境内の右手の石積に 石碑があり 富士講でしょうか

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梅の花

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拝殿にすすみます

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賽銭をおさめ お祈りをします
ご神威に添い給うよう願いながら礼 鎮まる御祭神に届かんと かん高い柏手を打ち 両手を合わせ祈ります

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社殿に一礼をして境内を戻ります

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【神社の伝承】(I will explain the lore of this shrine.)
この神社にかかわる故事や記載されている文献などをご紹介します
『神社覈録(Jinja Kakuroku)〈明治3年(1870年)〉』に記される伝承
式内社 伊加麻志神社について 祭神・所在は不明 と記しています
【抜粋意訳】
伊加麻志神社
伊加麻志は假字なり
〇祭神 在所等詳ならず
式内社 大朝神社について 所在は゛駿河國駿東郡香貫村に在す、今山宮、又 潮留明神と称す、゛〈現 大朝神社(沼津市下香貫)〉と記しています
【抜粋意訳】
大朝神社
大朝は 於保阿左と訓べし
○祭神 大日靈尊、〔志〕
○駿河國駿東郡香貫村に在す、今山宮、又 潮留明神と称す、〔同上〕
例祭 月 日、
【原文参照】

鈴鹿連胤 撰 ほか『神社覈録』下編 ,皇典研究所,1902. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/991015
『神祇志料(Jingishiryo)』〈明治9年(1876)出版〉に記される内容
式内社 伊加麻志神社について 所在は゛今 君澤郡堀切村 益山にあり、゛〈現 伊加麻志神社(伊豆市堀切)〉と記しています
【抜粋意訳】
伊加麻志神社
今 君澤郡堀切村 益山にあり、〔式社考証、〕〔〇按 本村に養加山益山寺あり益山の上に髙岳あり、其 東方に伊加麻入谷あり、養加は伊加の轉、益山は麻志山の義と聞ゆるもの證とすべし、〕
式内社 大朝神社について 所在は゛今、駿河、駿東郡、下香貫村字山宮にあり゛〈現 大朝神社(沼津市下香貫)〉と記しています
【抜粋意訳】
大朝(オホアサノ)神社
今、駿河、駿東郡、下香貫村字山宮にあり、〔豆州志、静岡縣注進状〕
【原文参照】

栗田寛 著『神祇志料』第12−14巻,温故堂,明9-20. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/815496
『特選神名牒(Tokusen Shimmyo cho)〈明治9年(1876)完成〉』に記される伝承
式内社 伊加麻志神社について 所在は゛堀切村〔益山〇今属 君澤郡〕(田方郡修繕寺村大字堀切)゛〈現 伊加麻志神社(伊豆市堀切)〉と記しています
【抜粋意訳】
伊加麻志(イカマシノ)神社
祭神
祭日
社格 村社所在 堀切村〔益山〇今属 君澤郡〕(田方郡修繕寺村大字堀切)
今按 式社考證に堀切村に益山あり
豆志〔佛刹の部〕に云 養加山益山寺〔堀切村〕益山の上にあり云々とみえて 二十町許高き山岳上なるが 東の方に伊加麻入と云 谷ある〔神益村に属す〕夫より麓に神益と云村ある 南方の麓に神戸と稱する地ある〔堀切村に属す〕北方に加麻が洞と云 谷ある等は更なり 山號の養加は伊加の轉訛 寺號の盆山は麻志山の意と聞ゆるを思に 伊加麻志の稱呼の遺存れる事論無しと云る 實にあたれり 故れ 縣の注進狀にも此地と定めたれば之に從ふ
式内社 大朝神社について 所在は゛下香貫村〔字山宮 〇今属 駿河國駿東郡〕(駿東郡揚原村大字香貫)゛〈現 大朝神社(沼津市下香貫)〉と記しています
諸説として
゛一説に賀茂郡上白岩村 大宮明神ならんか゛〈現 大宮神社〈白岩大朝神社〉(伊豆市上白岩)〉
゛一説に田方郡神益村 駒形神社なるべし゛〈現 神益麻志神社(伊豆の国市神島)〉
゛一説に駿河國駿東郡大平村 鷲巣神社ならんか゛〈現 鷲頭神社(沼津市大平)〉
゛一説に君澤郡大場村あり゛〈現 赤王神社(三島市大場)〉
【抜粋意訳】
大朝(オホアサノ)神社
祭神
今按 豆州志に 祀ニ大日靈貴 今は山宮 又 潮留明神と稱すとあれど 大朝と云によりて 大日靈を附會せしものと聞ゆればとらず
祭日 三月十六日
社格 村社所在 下香貫村〔字山宮 〇今属 駿河國駿東郡〕(駿東郡揚原村大字香貫)
今按 伊豆式社攷證には 香貫村と云は豆志の説なれど考合べき證なしとみえ
一説に賀茂郡上白岩村 大宮明神ならんか 大宮はもと大朝宮と云しを 後に朝字を省きて大宮とせしか 又 大朝をおほみやとも訓しに非じかと云れど 此説信がたし又 一説に田方郡神益村 駒形神社なるべし 社後の山を総て神山と稱し 其頂の一方をヲミヨ 一方をオホマ嶽と呼 おほまは大麻なろべしと云れど 大麻(オホマ)の麻を朝とせしならんとの説なれば 是は適はず
又 一説に駿河國駿東郡大平村 鷲巣神社ならんか 祭神 天日鷲命なるに囚て 鷲巢とも云しにや 大朝は大麻にて村名の大平は大朝平と云し 朝の省かりたるかと云るも牽強なり
又 一説に君澤郡大場村あり 此大場の稱は大朝の訛轉にやと思はるなど云るも信がたければとらず
今 豆州志と靜岡縣の註進に從て之を記す
【原文参照】

教部省 編『特選神名牒』,磯部甲陽堂,1925. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1919019

教部省 編『特選神名牒』,磯部甲陽堂,1925. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1919019
神益麻志神社(伊豆の国市神島)に「拝 (hai)」(90度のお辞儀)

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