実践和學 Cultural Japan heritage

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青衾神社(名古屋市熱田区白鳥)〈熱田神宮の境外摂社〉

青衾神社あおぶすまじんじゃは 古来 熱田神宮の海藏門の外にあると伝えられる 延喜式内社 尾張國 愛智郡 青衾神社(あをふすま かみのやしろ)です 熱田神宮には 本宮をはじめ・別宮1社・摂社8社・末社19社が祀られ 境外には 摂社4社・末社12社が祀られており その境外摂社4社の内の一つです

1.ご紹介(Introduction)

 この神社の正式名称や呼ばれ方 現在の住所と地図 祀られている神様や神社の歴史について ご紹介します

【神社名(Shrine name

青衾神社Aobusuma shrine

通称名(Common name)

【鎮座地 (Location) 

愛知県名古屋市熱田区白鳥2丁目6-1

  (Google Map)

【御祭神 (God's name to pray)】

《主》天道日女命(あめのみちひめのみこと)

祭神については別説があります

尾張氏の祖神、天香語山命(あめのかぐやまのみこと)゛とする説
〈『先代旧事本紀』にある 饒速日尊(旧事本紀では天火明命と同神)と 天道日女命との間に生まれた神 尾張氏等の祖神〉

饒速日命(にぎはやひのみこと)゛とする説
〈天照太神の孫神〉

゛天日神命(あめのひのみたまのみこと)゛とする説
〈『先代旧事本紀』にある饒速日命に従って天降った32人のうちの1人とされ 対馬県主らの祖

【御神徳 (God's great power)】(ご利益)

【格  (Rules of dignity) 

・『延喜式神名帳engishiki jimmeicho 927 AD.所載社

【創  (Beginning of history)】

『名古屋市史』社寺編大正4-5年〉に記される内容

【抜粋意訳】

第十一款 別宮、摂社、末社

熱田神宮(攝社-御田神社、靑衾神社)

(靑衾神社)

靑衾神社は熱田 田中町字堀の內に在り、延喜式に「愛知郡靑衾神社、」本國帳貞治本、元龜本には「正二位靑衾名神」とあり、祭神は一説に饒速日命となす、此神は越智直(おちのあたへ)の祖神なり、天野信景の集説に、此社は愛知郡の本居(うぶすな)神にして、ウブスナのウは靑衾の靑と音便通ずと云へり、
祭神記に天道日女命となす、その據所を知らず、津田正生は尾張氏の祖神、天香語山命とす、
神社問答雑錄に天月魂(あめのよのみたま)とせるは、饒速日命を天照櫛玉饒速日命と呼べるにり、附會せるものならん、天日魂とせるも亦同じ、又當社を白衾と書し白和幣、海藏門外の東、靑衾社(今無)を靑和幣とせるも、恐らくは習合家の附會なる可し、
本殿〔一間、一間一尺、〕拝殿、鳥居等あり、境内南北十二丈五尺、東西十丈八尺、面積七畝二十一歩なり

【原文参照】

名古屋市 編『名古屋市史』 社寺編,名古屋市,大正4-5. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/950889

【由  (History)】

『尾張名所図会』に記される内容

【抜粋意訳】

青衾あおぶすま神社

田中にあり 延喜神名式に青衾神社 本國神名帳に正二位 青衾名神となる也
之 海藏門の外なり 青衾祠は氏社の遥拝所なるべし
末社 新氷上祠 境内にあり

【原文参照】

岡田啓 (文園) , 野口道直 (梅居) 著『尾張名所図会』前編 巻4 愛智郡,片野東四郎,明13. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/764883

神社の境内 (Precincts of the shrine)】

 ・末社 新氷上祠 ⇒現在は合祀されたか?

神社の境外 (Outside the shrine grounds)】

別宮 八劔宮は 熱田神宮の境外摂社です

熱田神宮は 別記事を参照ください

・熱田神宮(名古屋市熱田区神宮)〈延喜式内社 名神大社〉

この神社の予備知識(Preliminary knowledge of this shrine)

この神社は 大和朝廷による編纂書〈六国史・延喜式・風土記など〉に記載があり 由緒(格式ある歴史)を持っています

〇『六国史(りっこくし)』
奈良・平安時代に編纂された官撰(かんせん)の6種の国史〈『日本書紀』『續日本紀』『日本後紀』『續日本後紀』『日本文徳天皇実録』『日本三代實録』〉の総称

〇『延喜式(えんぎしき)』
平安時代中期に編纂された格式(律令の施行細則)

〇『風土記(ふどき)』
『続日本紀』和銅6年(713)5月甲子の条が 風土記編纂の官命であると見られ

記すべき内容として下記の五つが挙げられています

1.国郡郷の名(好字を用いて)
2.産物
3.土地の肥沃の状態
4.地名の起源
5.古老の伝え〈伝えられている旧聞異事〉

現存するものは全て写本
『出雲国風土記』がほぼ完本
『播磨国風土記』、『肥前国風土記』、『常陸国風土記』、『豊後国風土記』が一部欠損した状態

『延喜式神名帳(Engishiki Jimmeicho)』(927年12月編纂)に所載〈This record was completed in December 927 AD.〉

延喜式Engishiki)律令の施行細則 全50巻』〈平安時代中期 朝廷編纂
その中でも910を『延喜式神名帳Engishiki Jimmeicho)といい 当時927年12月編纂「官社」に指定された全国の神社式内社の一覧となっています

「官社(式内社)」名称「2861
・「鎮座する天神地祇」数「3132座」

[旧 行政区分](Old administrative district)
(神様の鎮座数)東海道 731座…大52(うち預月次新嘗19)・小679

[旧 国 名 ](old county name)
(神様の鎮座数)尾張國 121座(大8座・小113座)

[旧 郡 名 ](old region name)
(神様の鎮座数)愛智郡 17座(大4座・小13座)

[名神大 大 小] 式内小社

[旧 神社 名称 ] 青衾神社
[ふ り が な ]あをふすまの かみのやしろ
[Old Shrine name]Awofusuma no kaminoyashiro

【原文参照】

国立公文書館デジタルアーカイブス  延喜式 刊本(跋刊)[旧蔵者]紅葉山文庫https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F1000000000000004146&ID=M2014101719562090086&TYPE=&NO=画像利用

【オタッキーポイント】This is the point that Otaku conveys.

あなたが この神社に興味が湧くような予備知識をオタク視点でご紹介します

熱田神宮の境外摂社 4社について

青衾神社は 延喜式内社であり 熱田神宮の境外摂社と格式の高い神社です

熱田神宮には 境外社は16社あり その内 摂社は4社のみで その内の三つが 延喜式内社〈氷上姉子神社(ひかみあねごじんじゃ)高座結御子神社(たかくらむすびみこじんじゃ)青衾神社あおぶすまじんじゃ〉とされる格式の高い神社です

 もう一社は〈日本武尊(やまとたけるのみこと)と宮簀媛命(みやすひめのみこと)が出逢った場所 とも 建稲種命(たけいなだねのみこと)の御陵とも云われる〉松姤社(まつごしゃ)の4社です

各々の神社については 別記事を参照ください

・熱田神宮の別宮・摂社・末社について

青衾神社名古屋市熱田区白鳥の御祭神について

青衾神社は 延喜式内社であり 熱田神宮の境外摂社と格式の高い神社ですが 御祭神については 謎めいています

現在の御祭神 主祭神 天道日女命(あめのみちひめのみこと)について

天火明命(あめのほあかりのみこと)〈別名を饒速日命(にぎはやひのみこと)〉の妻神です
その御子神は 天香山命(あめのかごやまのみこと)〈尾張氏等の祖神〉です

天道日女命を祀る 二つの延喜式内社について

延喜式内社 尾張國 愛智郡 青衾神社(あをふすま かみのやしろ)

・青衾神社(名古屋市熱田区白鳥)
〈熱田神宮の境外摂社〉

一緒に読む
青衾神社(名古屋市熱田区白鳥)〈熱田神宮の境外摂社〉

青衾神社(あおぶすまじんじゃ)は 古来 熱田神宮の海藏門の外にあると伝えられる 延喜式内社 尾張國 愛智郡 青衾神社(あをふすま かみのやしろ)です 熱田神宮には 本宮をはじめ・別宮1社・摂社8社・末社19社が祀られ 境外には 摂社4社・末社12社が祀られており その境外摂社4社の内の一つです

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延喜式内社 伊豫國 風早郡 櫛玉比賣命神社(くしたまひめのみことの かみのやしろ)

・櫛玉比賣命神社(松山市高田甲)

青衾神社は 御祭神についての別説あり

尾張氏の祖神 天香語山命(あめのかぐやまのみこと)゛とする説

〈『先代旧事本紀』にある 饒速日尊(旧事本紀では天火明命と同神)と 天道日女命との間に生まれた神 尾張氏等の祖神〉
〈『先代旧事本紀』「天神本紀」には 饒速日尊の天孫降臨に従った32柱の1柱とある〉

天香語山命〈天香山命〉を主祭神として祀る 延喜式内社について

延喜式内社 山城國 久世郡 荒見神社(あらみの かみのやしろ)

・荒見神社(城陽市富野荒見田)

延喜式内社 大和國 忍海郡 葛木坐火雷神社二座 並名神(かつらきにます ほのいかつちの かみのやしろ)

・葛木坐火雷神社〈笛吹神社(笛吹連御祖神 天香山命)〉(葛城市笛吹)

一緒に読む
葛木坐火雷神社〈笛吹神社〉(葛城市笛吹)〈延喜式内社 名神大社〉

葛木坐火雷神社(かつらきにいます ほのいかづちじんじゃ)は 延喜式内社 葛木坐火雷神社二座(並名神大月次相嘗新嘗)(かつらきにます ほのいかつちの かみのやしろ ふたくら)です 創建は 神代とも神武天皇の御代とも云われ 二座の内 笛吹神社は 上古以来 朝廷が大事を卜定められる毎時 波波迦木を進献していたと伝わります

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延喜式内社 大和國 城下郡 岐多志太神社二座 鍬靫(きたしたの かみのやしろ)

・岐多志太神社(田原本町伊与戸)

一緒に読む
岐多志太神社(磯城郡田原本町伊与戸)〈延喜式内社〉

岐多志太神社(きたしたじんじゃ)は 社名の岐多志太は キタ氏の田という意味で ゛キタ゛ 即ち 鉄を鍛える鉄工の神 とされます 『延喜式神名帳』(927年12月編纂)に所載の大和国 城下郡 岐多志太神社 二座(鍬靫)(きたしたの かみのやしろ ふたざ)とされます

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延喜式内社 尾張國 中嶋郡 小塞神社(をせきの かみのやしろ)

・〈参考論社〉小塞神社(一宮市浅井町尾関字同者)

延喜式内社 若狭國 大飯郡 香山神社(かごやまの かみのやしろ)

・香山神社〈高森乃宮〉(大飯郡高浜町下車持)

延喜式内社 越後國 蒲原郡 伊夜比古神社 名神大(いやひこの かみのやしろ)

・弥彦神社(弥彦村)

一緒に読む
彌彦神社(弥彦村)越後国一之宮

弥彦神社(いやひこじんじゃ)は 創建から2400年以上であるとも云われ 万葉集にも詠われる由緒ある歴史を持つ古社です 御祭神は 天照大神の曾孫の天香山命(あめのかごやまのみこと)を祀り 人々からは「おや彦さま」と呼ばれ 信仰を集めてきた越後国一之宮です

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延喜式内社 越後國 魚沼郡 魚沼神社(いをぬの かみのやしろ)

・魚沼神社(小千谷市土川)

・伊米神社 八幡宮(小千谷市)

゛〈天照太神の孫神〉饒速日命(にぎはやひのみこと)゛とする説

別記事を参照ください

・饒速日命を祀る 延喜式内社について


゛天日神命(あめのひのみたまのみこと)゛とする説

〈『先代旧事本紀』にある饒速日命に従って 天降った32柱のうちの1柱とされ 対馬県主らの祖〉

対馬県主が 対馬の地に 天日神命を祀ったのが阿麻氐留神社とされます

天日神命を主祭神として祀る 延喜式内社について

延喜式内社 對馬嶋 下縣郡 阿麻氐留神社(あまてるの かみのやしろ)

・阿麻氐留神社(対馬 小船越)

一緒に読む
阿麻氐留神社(対馬 小船越)

阿麻氐留神社(あまてるじんじゃ)は 対馬の小船越に鎮座します 地名の小船越は 対馬海峡と朝鮮海峡を行き来する船を 陸に上げて引いて越したので そこから名付けられました 古代から 日本と大陸の往来拠点であった対馬は 南北に82km程もあり 海路での迂回は一苦労 ですから対馬の中央部の小船越は まさに現代でいうバイパスの役割を果たしていました 交通の要地を明るく照らす「日の神」〈太陽の神〉を祀るという位置づけで 江戸時代には「照日権現(テルヒゴンゲン)」と呼ばれていました

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【神社にお詣り】(Here's a look at the shrine visit from now on)

この神社にご参拝した時の様子をご紹介します

青衾神社は 熱田神宮の境外摂社です

熱田神宮は 別記事を参照ください

・熱田神宮(名古屋市熱田区神宮)〈延喜式内社 名神大社〉

 熱田神宮の西門を出て 国道19号線に架かる歩道橋を渡り 白鳥小学校の西側の住宅地の一角にあります

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青衾神社名古屋市熱田区白鳥に参着

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社殿は東を向いて 社頭の鳥居は東南を向いています

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一礼をして 鳥居をくぐり

拝殿にすすみます

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賽銭をおさめ お祈りをします
ご神威に添い給うよう願いながら礼 鎮まる御祭神に届かんと かん高い柏手を打ち 両手を合わせ祈ります

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神社の境内は小さいのですが 神社の正面には 道路があり その先には しろとりこみちの広場となっていて 広々としています

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神社の伝承】(I will explain the lore of this shrine.)

この神社にかかわる故事や記載されている文献などをご紹介します

『神社覈録(Jinja Kakuroku)〈明治3年(1870年)〉』に記される伝承

式内社 青衾神社について 所在は゛熱田宮 海藏門前路 東に在す、゛〈現 青衾神社名古屋市熱田区白鳥〉と記しています

祭神については ゛天日神命(あめのひのみたまのみこと)゛〈『先代旧事本紀』にある饒速日命に従って天降った32人のうちの1人とされ 対馬県主らの祖〉と記しています

対馬県主が 対馬の地に 天日神命を祀ったのが阿麻氐留神社とされます

【抜粋意訳】

青衾神社

青衾は 安乎不須麻と訓べし

○祭神 天魂日神、尊命記

○熱田宮 海藏門前路 東に在す、府志

神位
 國内神名帳云、從二位 青衾明神、

【原文参照】

鈴鹿連胤 撰 ほか『神社覈録』上編 ,皇典研究所,1902. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/991014

『神祇志料(Jingishiryo)』〈明治9年(1876)出版〉に記される内容

式内社 青衾神社について 所在は゛今 熱田海藏門外にあり、゛〈現 青衾神社名古屋市熱田区白鳥〉と記しています

【抜粋意訳】

青衾(アヲフスマノ)神社

 熱田海藏門外にあり、
以上六座 并に大宮所攝の神也、〔張州府志、熱田社問答雑録〕

【原文参照】

栗田寛 著『神祇志料』第1巻,温故堂,明9-20. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/815490

『特選神名牒(Tokusen Shimmyo cho)〈明治9年(1876)完成〉』に記される伝承

式内社 青衾神社について 所在は゛熱田大宮二町西堀之内゛〈現 青衾神社名古屋市熱田区白鳥〉と記しています

【抜粋意訳】

青衾(アヲフスマノ)神社

祭神 天道日女(アメノミチヒメノ)

祭日 二月上未日 十一月上辰日
社格 熱田摂社

所在 熱田大宮二町西堀之内

【原文参照】

教部省 編『特選神名牒』,磯部甲陽堂,1925. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1919019

青衾神社名古屋市熱田区白鳥 (hai)」(90度のお辞儀)

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尾張国 式内社 121座(大8座・小113座)について に戻る

一緒に読む
尾張國 式内社 121座(大8座・小113座)について

尾張国(おわりのくに・をはりのくに)の式内社とは 平安時代中期〈927年12月〉に朝廷により編纂された『延喜式神名帳(Engishiki Jimmeicho)』に所載される当時の官社です 尾張国には 121座(大8座・小113座)の神々が坐します 現在の論社を掲載しています

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  • B!

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