八坂神社＆雨夜神社〈『延喜式』 雨夜神社〉（丹生郡越前町天王）

八坂神社（やさかじんじゃ）は　社伝に　約1800年前　神功皇后が三韓出兵の帰途に天下安寧を祈願し　蛇谷山に祇園牛頭天王を祀ったのが当社のはじまりと云う　又　明治43年（1910）雨夜神社（朝日村天屋）〈延喜式内社　越前國 丹生郡 雨夜神社（あまよの かみのやしろ）の論社〉を八坂神社の境内に移転しています

1.ご紹介（Introduction）

　この神社の正式名称や呼ばれ方　現在の住所と地図　祀られている神様や神社の歴史について　ご紹介します

【神社名(Shrine name）】

八坂神社（Yasaka shrine）

雨夜神社（Amayo shrine）

【通称名(Common name)】

【鎮座地　(Location)　】

福井県丹生郡越前町天王18－24

〈旧住所　福井県丹生郡朝日町天王第18号字宮前24番地〉

【地　図 (Google Map)】

【御祭神　(God's name to pray)】

〈八坂神社〉

《主》素盞嗚尊（すさのをのみこと）
　　　奇稻田姫命（くしいなだひめのみこと）

《配》應神天皇（おうじんてんのう）

【御神徳　(God's great power)】（ご利益）

【格　式　(Rules of dignity) 】

・『延喜式神名帳（engishiki jimmeicho ）927 AD.』所載社

・　国史記載社〈六国史（『日本書紀』『続日本紀』『日本後紀』『続日本後紀』『日本文徳天皇実録』『日本三代実録』）に記載されている神社〉

【創　建　(Beginning of history)】

八坂神社

　社伝によると、約1800年前、神功皇后（じんぐうこうごう）が三韓出兵の帰途に天下安寧を祈願し、蛇谷山に祇園牛頭天王（ぎおんごずてんのう）を祀ったのが当社のはじまりという。祇園牛頭天王宮と称されていたが、神功皇后の御子 応神天皇の御願所となり、応神寺とも呼ばれるようになった。以来、歴代天皇の尊崇あつく、神殿の造営並びに修理が繰り返されてきた。

　室町時代には、塔頭（たっちゅう）として応神寺十四坊が成立した。その頃の氏子村は、天王・宝泉寺・栃川・乙坂・馬場・市・田中・在田・甑谷・坪谷・真栗・御油・清水山からなる田中の郷十三ヶ村であった。

　慶長3年（1598）の検地の際には社地1町田5反が寄進され、江戸時代を通じて歴代の福井藩主より朱印を賜わっている。明和元年（1764）、三河国西尾藩の陣屋が天王に置かれ、松平和泉守の祈願所となり、祭礼には必ず代参が送られるなど篤く信仰された。

　明治時代の神仏分離政策によって神仏習合の長い歴史に終止符を打ち、八坂神社と称され、現在にいたる。
　平成30年3月　越前町商工観光課

現地説明版より

【由　緒　(History)】

『丹生郡誌』明治42年（1909）に記される内容

【抜粋意訳】

八阪神社

　素盞鳴尊、稻田比賣命、應神天皇を合祀す　神功皇后三韓を親征して還り給ふや　比地の蛇谷山〔天王山〕に神祠を創建し　以て祇園牛頭天王を祀り祇園天王宮と稱せらる　後ち應神天皇は白山權現を勧請して三社と崇敬せられたるを以て　また應神宮 牛頭天王とも曰ふ夫より　以來 仁賢、天智、光仁、嵯峨、花山の諸帝 造營 及 修繕を加へ給ふ　又 嘉應元年 平重盛 之を修繕し　文治元年 源頼朝 之と造營す 而て應永三十四年 には元の田中郷領主 飛烏井雅緣都より態々來りて此祠に参詣せり
・・・
・・・〈以下略　原文参照のこと〉
・・・

【原文参照】

【神社の境内　(Precincts of the shrine)】

・八坂神社　本殿

・八坂神社　拝殿

・〈拝殿横〉雨夜神社《主》雨夜神《合》保食神〈稲荷神社〉

　明治四十三年四月二十五日　八坂神社境内に移転〈八坂神社とは別に一社として登記されています〉

『式内社調査報告第十五巻』昭和59年に記される内容

【抜粋】

越前國　雨夜（アマヨノ）神社

【社名】

　九條家本、吉田家本ともに「アマヨ」、武田本では「アマヨ」「アメヨ」と二通りに訓んでゐる。『神社覈録』も「雨夜は阿末興と調べし」とする。

【所在】

　雨夜神社に比定される社は次の三社である。

A 武生市大虫町第二一號二八番地,大虫神社（丹生郡大虫村上大虫 大虫神社相殿に合祀）。

B 武生市岡本町第二一號一八番地。岡太神社（南條郡神山村岡本 白山神社に遷座）。
　今、白山神社は岡太神社と称するも石鳥居には白山神社の額が掲げてあり、後の藤内山の北半分は土地開發の際に掘削されてをるが頂上中央の松の大樹跡に、石祠 雨夜神社の社號標が存し、舊跡を遺してゐる。

C 丹生郡朝日町天王第一八號二四番地（朝日村天屋第二七號一九番地 雨夜神社を八坂神社境内社として移轉）。舊跡に雨夜神社跡の石柱がある。

【論社考證】

 A　については
『神社覈録』に『越前國官社考』を引用して、「昔は丹生獄にます、中古より下大虫村 小虫神社に並べ祀る、岡本村に遙拜所あり、大虫神社摂社也」とあり、『特選神名牒』は「大神社相殿也。今按 覈録に官社考云(中略) 大虫神社の御子神にて摂社也とみえたるが如くなるべし姑附て考に備ふ。」としてゐる。『神祇志料』に「今 大虫神社の内に合祀る、昔 丹生嶽にありしを後 今地に遷す。官社私考。社記によれば、天正十一年相殿に合祀」とある。

B・Cについては
『越前地名考』に「吉孝謹考加。延喜式、諸國郡郷共、以皇都近爲光,況諸社ヲヤ。據之者、當都官社、第一 兄子神社、次 雨夜神社、次 大虫神社と、(中略)天王村ハ 去ニ 大虫村北 凡三里。然トキハ雨夜神社、當然 官社末座タルベキニ、第二ニ 列スル事、全ク皇都以近也。岡本村本社、明快也。更に同書「附記」の項に往古 大虫村ニ 鎭座、大虫神社摂社也。(中略)亦 天王村ノ内 雨夜明神アリ。其垣内ヲ雨夜ト號、村長ヲ雨夜氏ト云,然卜モ岡本村ノ社ハ朝倉家代々信仰、判物等慥カナルヲ見レバ、全ク本社ニテ、天王ハ其遷社歟。可後考。」と説かれてゐる。また『足羽社記』に、「雨夜在ニ 小山麓 今云ニ 天谷森 天谷雨夜ノ言之訛也。」とあり、『越前國名蹟考』には、「岡本村〔白山社 雨夜神社〕◎是古の雨夜神社式内なり。」と見える。そして、「足羽社記」の所説について、「接するに天谷ノ森といへるはいづれの所を指していふや詳ならず。丹生都天屋村（注 天王出村）にも雨夜ノ神社と稱するあり天王の社家 高橋氏支配す。又丹生郡内に天谷村といふあれどもアマダニと訓して雨夜に混すべからず、後ノ君子の明断を俟つ耳。」と批判し、Cについても「天屋村 雨夜社◎天王村の産土神にて高橋氏兼带す、是即式内の雨夜神社なりと稱す。」と述べてB・Cの二社を比定してゐる。『南越溫故集』は「天王村枝天屋村ニ 御社現存。」としてゐる。

【祭神】

　『神名帳考證』に「雨師神也、按夜者祖也」とあり、『神社覈録』に「大虫御神子。」とある。「越前國官社考」は、「丹生山の御魂神にして所祭 水波乃賣命〔大和國吉野郡丹生村 丹生大明神同体也〕祈雨神に在す」とし、『神祇志料』は「彦火々出見尊を祀る。」との社傳をのせ、『越藩拾遺錄』には「祭神 茨田ノ連」とするなど諸説がある。各神社の昭和二十七年の神社明細帳によると、A水波乃賣命。B岡太大神。C雨夜大神（明治の縣保管明細帳には祭神不詳とある。）

【由緒】

 A・B・C三社ともに由緒は不評である。B・Cは舊村社。續日本紀 寶龜五年三月戊申の條に「叙ニ 越前國丹生郡 雨夜神 從五位下」とあり、延暦十年四月庚子の條にも「叙ニ 越前國 雨夜神 從五位下」と見えてゐる。しかし、延暦の叙位階は寶龜と重複で、恐らくは従五位上の誤であらう。

　『朝野群載』に「康和五年六月十日、奏龜卜御體御卜、(中略)坐ニ 越前國雨夜神云々、社司等依 過ニ 穢神事 祟給、遣 使科ニ 中祓 可令ニ 祓清奉仕事。」と見え、越前惣神分には「正一位雨夜大明神」とある。

【祭祀】

A 大虫神社に同じ。
B 例祭十月九日。境内二五六坪。氏子一二三月,宮司 大宮英治氏(兼務)。
C 例祭九月二十四日。境內五二坪。氏子四〇戶。宫司 高橋正純氏(兼務)。

(西森清隆)

【原文】

・境内図（明治時代）

・境内向かって右 境内社5社

・〈境内社〉白山神社

　拝殿横　祠なく更地

・〈境内社〉神明神社

・〈境内社〉市姫神社

　神明神社と八幡神社の間　祠なく更地

・〈境内社〉八幡神社

・〈境内社〉薬師神社

・境内向かって左 境内社5社

・〈境内社〉御塔神社

・〈境内社〉愛宕神社

・〈境内社〉天満神社

　2祠の向って左　祠なく更地

・御膳水〈北陸の名水百選（延命水）〉

・神輿殿

・神門

・参道・石灯籠

・石灯籠・石祠

・神藏殿

福井県指定有形文化財　平成11年(1999）4月23日指定

木造 十一面女神坐像　鎌倉時代　１躯

　八坂神社境内社の御塔神社に伝来した十一面女神坐像は、像高62.8cm、頭部は十一面観音菩薩、身体は神像という神仏習合の姿に彫出されている。頭体幹部はヒノキの一木造で内刳（うちぐ）りはない。

越前町指定無形文化財　平成4年（1992）3月5日指定

八坂神社の神事

　かつて祇園牛頭天王宮と称した当社に伝わる神事で、旧暦６月に行われてきた。

一．獅子渡御祭　7月7日
「おししさま」とも称され、獅子頭と鼻長（猿田彦）の面が、七郷用水を中心とした越前町内外の氏子村十三集落を巡行する。

二．祇園祭　7月14日
疫病を払う祭神にちなんだ祭礼で、子ども達による願人坊踊（がんにんぼうおどり）も奉納される。六年に一度、おわたり番の年には神輿渡御が行われる。

三．水無月大祓　7月30日
「みなづき」とも称される行事で、境内に設けられた齊庭（ゆにわ）に齊火（いみび）が焚かれ巫女舞が奉納される。

　越前町教育委員会

現地案内板より

八坂神社の文化財

　当社には、国指定重要文化財をはじめとする数多くの文化財が遺存する。平安時代後期に制作された木造 阿弥陀如来坐像2躯・木造 釈迦如来坐像1躯・木造 菩薩形坐像1躯（附 木造 光背1面）は、国指定重要文化財である。昭和30年代の本殿造営の際に内陣壇下より発見され、別当寺であった応神寺に伝わったものと考えられる。

　福井県指定文化財の木造 十一面女神坐像1躯は平安時代後期～鎌倉時代に比定され、境内末社の御塔神社に安置されていた。唐装をまとう女神像だが、十一面観音像と同じく頭上面をもち、神仏習合思想を背景に造立された。本像を牛頭天王の后である頗梨采女（はりさいじょ）の像とする説もある。

　このほか、内陣壇下より採桑老（さいそうろう）・陵王の舞楽面が発見されており、当社でもかつては舞楽の神事奉納が行われていたことを示す。また、嘉慶元年（1387）6月7日付の「天王社御幸供奉日記写」には、「一、十六日之白昼より舞三番、是は幸若役」とあり、14世紀後葉には幸若舞が成立し、八坂神社の祭礼において上演されたとみられている。
　平成30年（2018）3月　越前町商工観光課

現地説明版より

・二の鳥居

・〈境内社〉辻神社

・「泰澄の道」コース案内図

泰澄は　白凰12年（683）生まれ　養老元年（717）35歳の時　白山を開山した後　越前　加賀に50余の寺を創建したと伝えられます

・〈社頭〉一の鳥居

【神社の境外　(Outside the shrine grounds)】

・〈旧鎮座地〉雨夜神社鎭座趾

　明治四十三年（1910）四月二十五日　八坂神社境内に移転

『越前国名蹟考』巻之3-4,明治35-36年（1902～1903）に記される内容

【抜粋意訳】

天屋村〔天王村枝〕

　公料　高三拾二石五斗五升六合
　幸若猪右衛門  内高八石一斗四勺五オ

〇雨夜社

　天王村の產土神にて髙橋氏兼帶す　是即　式內の雨夜神社なりと稱す

○雨夜の神社と云は　天谷郷にあり〔歸雁記〕

○祭。三月五日　八月十七日

【原文参照】

この神社の予備知識(Preliminary knowledge of this shrine)

この神社は　大和朝廷による編纂書〈六国史・延喜式など〉に記載があり　由緒（格式ある歴史）を持っています

〇『風土記（ふどき）』和銅6年（713）
　『続日本紀』和銅6年（713）5月甲子の条が　風土記編纂の官命であると見られ　記すべき内容として下記の五つが挙げられています

『風土記（ふどき）』和銅6年（713）の特徴について
1.国郡郷の名（好字を用いて）
2.産物
3.土地の肥沃の状態
4.地名の起源
5.古老の伝え〈伝えられている旧聞異事〉

現存するものは全て写本です
『出雲国風土記』がほぼ完本
『播磨国風土記』、『肥前国風土記』、『常陸国風土記』、『豊後国風土記』が一部欠損した状態

〇『六国史（りっこくし）』
　　奈良・平安時代に編纂された官撰（かんせん）の6種の国史の総称
・『日本書紀』養老4年（720）完成
・『續日本紀』延暦16年（797）完成
・『日本後紀』承和7年（840）完成
・『續日本後紀』貞観11年（869）完成
・『日本文徳天皇実録』元慶3年（879）完成
・『日本三代實録』延喜元年（901）完成

〇『延喜式（えんぎしき）』延長5年（927）完成
　　平安時代中期に編纂された格式（律令の施行細則）全50巻　約3300条からなる

『續日本紀（Shikoku Hongi）』〈延暦16年（797）完成〉に記される伝承

雨夜神に神階が授けられています

【抜粋意訳】

宝亀五年（七七四）三月戊申〈九〉

○戊申

賜ふに　諸国に私（わたくしごと）に稲（いね）を糶（米を売った）者（もの）七人に爵各一級

叙す　越前国 丹生郡 雨夜神に　従五位下を

参河国に飢あり　之（これを）賑給（しんきゅう）す

【原文参照】

【抜粋意訳】

延暦十年（七九一）四月庚子〈十〉

○庚子

　叙す　越前国 雨夜神　大虫神 並に従五位下を

【原文参照】

『延喜式神名帳（Englishmen Jimmeicho）』(927年12月編纂)に所載〈This record was completed in December 927 AD.〉

『延喜式（Engishiki）律令の施行細則 全50巻』〈平安時代中期 朝廷編纂〉
その中でも巻9・10を『延喜式神名帳（Engishiki Jimmeicho）』といい　当時〈927年12月編纂〉「官社」に指定された全国の神社（式内社）の一覧となっています

・「官社（式内社）」名称「2861社」
・「鎮座する天神地祇」数「3132座」

[旧　行政区分]（Old administrative district）
(神様の鎮座数）北陸道　352座…大14（うち預月次新嘗1）・小338

[旧　国　名　]（old county name）
(神様の鎮座数）越前國　126座（大8座・小118座）

[旧　郡　名　]（old region name）
(神様の鎮座数）丹生郡　14座（大1座・小13座）

[名神大 大 小]　式内小社

[旧　神社　名称 ] 雨夜神社
[ふ　り　が　な ]（あまよの かみのやしろ）
[Old Shrine name]（Amayo no kaminoyashiro）

【原文参照】

【オタッキーポイント】（This is the point that Otaku conveys.）

あなたが　この神社に興味が湧くような予備知識をオタク視点でご紹介します

延喜式内社　越前國 丹生郡 雨夜神社（あまよの かみのやしろ）の論社

・大虫神社（越前市大虫町）
〈天正11年（1583）大虫神社相殿に合祀 雨夜神社〉

・雨夜神社　岡本山上宮（越前市岡本町）
〈岡太神社に合祀　雨夜神社 旧鎮座地〉）
・岡太神社（越前市岡本町）
〈雨夜神社 旧鎮座地は　岡太神社に合祀〉

・雨夜神社古社地〈石碑〉（丹生郡越前町天王）
〈八坂神社 境内に鎮座 雨夜神社の旧鎮座地〉
・八坂神社（丹生郡越前町天王）
〈朝日村天屋に鎮座していた雨夜神社　現 八坂神社 境内に鎮座〉

【神社にお詣り】(Here's a look at the shrine visit from now on)

この神社にご参拝した時の様子をご紹介します

福井鉄道福武線　神明駅からR417号経由で西へ約6.1km　車での所要時間は13～16分程度

R417号沿いに越前町役場があります

朝日交差点を右折して県道184号を北上します

右手に丹生酒造があり　正面に鳥居　左手が駐車場です

八坂神社（丹生郡越前町天王）〈境内 雨夜神社〉に参着

「泰澄の道」コース案内図

泰澄は　白凰12年（683）生まれ　養老元年（717）35歳の時　白山を開山した後　越前　加賀に50余の寺を創建したと伝えられます

社頭の鳥居に一礼をして　くぐり抜けると境内となります

鳥居の脇には゛八坂神社゛の案内板が設置されています

境内に入ると　すぐ右手に〈境内社〉辻神社があります

両部鳥居の二の鳥居が建ちます

参道を進むと大きな石灯籠があり　その手前に石灯籠や石祠があります

参道を進んでいくと神門〈神仏習合の時代 山門〉があります

神門をくぐり抜けます

右手に　神輿殿が建てられています

正面に拝殿が建ち　左手前には　御膳水〈北陸の名水百選（延命水）〉

玉垣に囲まれた　神域に入ると　拝殿の両脇に境内社の祠が祀られています

正面に拝殿　拝殿の向かって左は〈拝殿横 境内〉雨夜神社

拝殿にすすみます

賽銭をおさめ　お祈りをします
ご神威に添い給うよう願いながら礼　鎮まる御祭神に届かんと　かん高い柏手を打ち　両手を合わせ祈ります

〈拝殿横〉雨夜神社にも

賽銭をおさめ　お祈りをします
ご神威に添い給うよう願いながら礼　鎮まる御祭神に届かんと　かん高い柏手を打ち　両手を合わせ祈ります

社殿に一礼をして境内参道を戻ります

社頭の鳥居の先には　県道が南へとのびています

【神社の伝承】(I will explain the lore of this shrine.)

この神社にかかわる故事や記載されている文献などをご紹介します

『神社覈録（Jinja Kakuroku）〈明治3年（1870年）〉』に記される伝承

式内社　雨夜神社について　所在は゛往昔は　丹生獄に在す、中古より下大虫村 小虫神社に並べ祀る゛〈現 大虫神社相殿に合祀 若宮神社〉と記しています

又゛岡本村に遥拝所あり゛〈現　岡太神社（越前市岡本町）〈雨夜神社 旧鎮座地は　岡太神社に合祀〉〉とも記しています

【抜粋意訳】

雨夜神社

雨夜は阿末與と訓べし

〇祭神　大虫神社御子〔官社考〕

〇往昔は　丹生獄に在す、中古より下大虫村 小虫神社に並べ祀る、岡本村に遥拝所あり、〔同上〕
大虫神社攝社也、〔同上〕

例祭　大虫社同日、

神位
　續日本紀、寶龜五年三月戊中、叙ニ 越前國丹生郡 雨夜神 從五位下、延暦十年夏四月庚子、叙ニ 越前國 雨夜神 從五位下、〔下は上の誤歟〕
　惣神分云、正一位 雨夜大明神 、

雑事
　朝野群載云、康和五年六月十日、奏龜卜御體御ト、〔中略〕坐ニ 越前國 雨夜神云々、社司等依 過ニ 穢神事 祟給、遣 使科ニ 中祓可令ニ 祓清奉仕〔下略〕宮主從五位下 行少祐卜部宿禰兼良、中臣下從五位上 行權少副大中臣朝臣輔清、

【原文参照】

『神祇志料（Jingoistic）』〈明治9年（1876）出版〉に記される内容

式内社　雨夜神社について　所在は゛今 大虫神社の内に合祀る、昔 丹生獄にありしを 後 今地に遷す、゛〈現 大虫神社相殿に合祀 若宮神社〉と記しています

【抜粋意訳】

雨夜（アマヨノ）神社、

今 大虫神社の内に合祀る、昔 丹生獄にありしを 後 今地に遷す、〔官社私考〕 

光仁天皇　寶龜五年三月戊申、從五位下を授け、
桓武天皇　延暦十年四月庚子、從五位上に叙さる、〔續日本紀〕〔〇按 本書、従五位上を従五位下に作り寶龜の授位と重複る者恐らくは誤也、今 上文に據て之を訂す〕
堀河天皇　康和五年六月雨夜神の社司神事を過穢せる祟あるを以て、中祓を科せ祓清め仕奉らしむ、〔朝野群載〕
傅云ふ、　彦火々出見尊を祀る、〔社傳説〕

『特選神名牒（Token Shimmery cho）〈明治9年（1876）完成〉』に記される伝承

式内社　雨夜神社について　所在は゛（大虫神社の相殿也）（丹生郡大虫村大字大虫 縣社大虫神社相殿）゛〈現 大虫神社相殿に合祀 若宮神社〉と記しています

又゛岡本村に遥拝所あり゛〈現　岡太神社（越前市岡本町）〈雨夜神社 旧鎮座地は　岡太神社に合祀〉〉とも記しています

【抜粋意訳】

雨夜神社

祭神

神位
　光仁天皇　寶龜五年三月戊申 叙越前國 丹生郡 雨夜神 從五位下
　桓武天皇　延曆十年夏四月庚子 叙 越前國 雨夜神 從五位下

祭日
社格

所在　（大虫神社の相殿也）（丹生郡大虫村大字大虫 縣社大虫神社相殿）

　今按　神社覈録に官社考云 往日 丹生嶽にます　中古より下大虫村 小虫神社に並べ祀る　岡本村に遙拜所あり　大虫神社の御子神にて攝社也とみえたるが如くなるべし　姑附て考に備ふ

八坂神社（丹生郡越前町天王）〈境内 雨夜神社〉に「拝 (hai)」(90度のお辞儀)

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