実践和學 Cultural Japan heritage

Shrine-heritager

三島神社(南伊豆町二條)

三島神社(みしまじんじゃ)は 『延喜式神名帳(927年12月編纂)所載の式内社「加毛神社 二座(かものかみのやしろ ふたくら)」の内 一座(ひとくら)とされています 社頭には伊豆半島でも屈指の樹齢千年以上大楠2株「夫婦楠」あり その存在感には圧倒されます

1.ご紹介(Introduction)

 この神社の正式名称や呼ばれ方 現在の住所と地図 祀られている神様や神社の歴史について ご紹介します

【神社名(Shrine name

三島神社(Mishima Shrine)
(みしまじんじゃ)

 [通称名(Common name)]

【鎮座地 (Location) 

静岡県賀茂郡南伊豆町二條933-1

 [  (Google Map)]

 

【御祭神 (God's name to pray)】

《主》姫命(Mizokuihime no mikoto)

明治45(1912)
石井山神社 大山祇命
加納八幡神社 誉田別命
田村神社  田村神 或いは 瓊々杵尊 
貴船神社  高龗神
黄宮神社  素盞鳴尊

【御神格 (God's great power)】(ご利益)

【格  (Rules of dignity)

『延喜式神名帳Engishiki jimmeicho)所載社

【創  (Beginning of history)】

不詳ながら 慶長2(1597)再建棟札あり

【由  (History)】

三島(みしま)神社

鎮座地 南伊豆町二 933-1
御祭神 溝姫命(みぞくいひめのみこと)
    誉田別命(ほんだわけのみこと)
    大山祇命(おおやまつみのみこと)
    田村神(たむらのかみ)或いは 瓊々杵命(ににぎのみこと)
    高龗(たかおかみ)
    素盞鳴尊(すさのをのみこと)

例祭日 112

 
創建年代不詳なれ 往古 石井加納二條を久田村と称せし頃 鈴木主水助なる者 勧請す と云い伝う
延喜式神名帳 所載の伊豆国 賀茂郡 加毛神社 二座の一なるべしと云う
明治69月村社に列す
明治45413 村社八幡神社 山神社 田村神社 無格社貴船神社を合祀す

宮司 飯作辰也 寄贈 平成5112

拝殿前掲示板より

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【境内社 (Other deities within the precincts)】

【境外社 (Related shrines outside the precincts)】

この神社の予備知識(Preliminary knowledge of this shrine)

この神社は 由緒(格式ある歴史)を持っています

『延喜式神名帳Engishiki Jimmeicho)(927年12月編纂)に所載
(Engishiki JimmeichoThis record was completed in December 927 AD.

延喜式Engishiki)律令の施行細則 全50巻』〈平安時代中期 朝廷編纂
その中でも910を『延喜式神名帳Engishiki Jimmeicho)といい 当時927年12月編纂「官社」に指定された全国の神社式内社の一覧となっています

「官社(式内社)」名称「2861
・「鎮座する天神地祇」数「3132座」

[旧 行政区分](Old administrative district)
(神様の鎮座数)東海道 731座…大52(うち預月次新嘗19)・小679
[旧 国 名 ](old county name)
(神様の鎮座数)伊豆国 92座(大5座・小87座)
[旧 郡 名 ](old region name)
(神様の鎮座数)賀茂郡 46座(大4座・小44座)
[名神大 大 小] 式内小社

[旧 神社 名称 ] 加毛神社 二座
[ふ り が な ]かも かみのやしろ にざ
[Old Shrine name]Kamo no kamino yashiro Niza

https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F1000000000000004146&ID=M2014101719562090086&TYPE=&NO=画像利用
【原文参照】国立公文書館デジタルアーカイブス  延喜式 刊本(跋刊)[旧蔵者]紅葉山文庫

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【オタッキーポイント】Points selected by Japanese Otaku)

あなたが この神社に興味が湧くような予備知識をオタク視点でご紹介します

『延喜式神名帳Engishiki Jimmeicho)(927年12月編纂)に所載
式内社「伊豆國 賀茂郡 加毛神社二座」の論社について

・加畑賀茂神社(南伊豆町町下賀茂)

一緒に読む
加畑賀茂神社(南伊豆町町下賀茂)

加畑賀茂神社(かばたかもじんじゃ)は 『延喜式神名帳』(927年12月編纂)所載 式内社「加毛神社 二座」の内の一座とされ 創建は 平安時代初期 大同年間(806~810)と伝えられています 御神木 ビャクシン(イブキ)の樹齢は1200年で その頃からあるとされます

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・三島神社(南伊豆町二條)

一緒に読む
三島神社(南伊豆町二條)

三島神社(みしまじんじゃ)は 『延喜式神名帳』(927年12月編纂)所載の式内社「加毛神社 二座(かものかみのやしろ ふたくら)」の内 一座(ひとくら)とされています 社頭には伊豆半島でも屈指の樹齢千年以上の大楠2株「夫婦楠」があり その存在感には圧倒されます

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神社にお詣り(For your reference when visiting this shrine)

この神社にご参拝した時の様子をご紹介します

伊豆急下田駅から R136号を西へ下賀茂で県道を北上 約12.8km 車22程度
下賀茂温泉から 青野川沿いを遡りる左手に小高い森があります

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社頭に鳥居があり この鳥居に覆いかぶさるように そらく伊豆半島でも屈指想われる樹齢千年以上大楠2株が「夫婦楠」としてあります
三島神社(Mishima Shrine)に参着

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一礼をして鳥居をくぐります しかし この樹齢千年以上大楠2株「夫婦楠」存在感には圧倒されます 鳥居との大きさの違いからも分かる通り 神がかっています 黄宮〈木の宮〉なのでしょう

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伊豆で有名な大楠は・熱海来宮さん・伊東葛見さん・河津来宮さん いずれも劣らぬ大楠です こちらの大楠は それらと比べても遜色なく 境内に上がって「夫婦楠」振り返ると まるで體全体で 下俗世から社地守っているかのように感じられます

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拝殿にすすみます 扁額には縦書きで「三嶋大明神」と記されています

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賽銭をおさめ お祈りをします 
ご神威に添い給うよう願いながら礼 鎮まる御祭神に届かんと かん高い柏手を打ち 両手を合わせ祈ります

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拝殿の奥は深い杜となっていて 一段高い檀に本殿が祀られています

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社殿の向かって右前に 鬼瓦が置かれていて 石板の記念碑があります

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社殿修復記念の碑には この神社が 二条 加納 上賀茂 石井の総鎮守として地域人々尊崇あつめてきたこと 今でも氏子の崇敬が込められている事が記され 社を守る方々の想いが篤く伝わります

記念碑

鎮座地 南伊豆町二条933の1
祭 神 姫命

 この神社は 二条 加納 上賀茂 石井の総鎮守として地域人々尊崇あつめて参りました。然しながら近年 社殿の損傷が著しいため 氏子の皆さまに謀り総意を得て改修する運びとなりました
茲にその修復を祝い氏子並びに奉賛者の赤誠を顕彰し記念の碑といたします。
三島神社

境内石板より

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境内を戻り 鳥居を抜けて 振り返り一礼をします

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神社の伝承(A shrine where the legend is inherited)

この神社にかかわる故事や記載されている文献などをご紹介します

『豆州志稿(zushu shiko)』〈江戸時代 寛政12年(1800)編集〉に記される伝承

大祠であり 加納 二條 石井 3村の鎮守としています その後 現在 合祀している加納村の神社について記しています
特に 現在合祀黄宮(きのみや)について 厳粛な祭祀様子と その神歌が記されています

【意訳】

三島明神 加納村

これ大祠にて 加納 二條 石井 三村の鎮守なり
慶長2年の札に 川津荘二條村 鈴木主水この孫 今に奉祀す

〇正八幡
〇黄宮・・・矢崎に一祠二座 神名不詳古社
の神に古式の祭祀があ
十月朔日より十五日まで 社人酒を戒めて潔齋甚だ厳重
十一日に幣を岩崎温泉の上に立て 翌日温泉に投ずる 之をオハキと云う
十二日欝蕉(はまゆふ)を入間ノ浜に取り 柯葉(しひ)の葉を大倉山に採り
十四日 神酒共に惠酌保宇(ゑしやくほう)と号する祠に献し 
祭主 社人 神酒を飲み始めて 酒禁を弛(ゆる)べる
(アスノアサ)祭主 神歌を謳ふ その音に節も詞も古雅なものであたといふ
その神歌
御狩する大倉の山のシガ葉をハレヨ 志賀葉ををるとレ見つ 今年こそハレよ 今年こそ するべの稲を 磯城に積まうよ ハレ世は助聲催馬楽に始めよし 助聲多り光ゆ

御狩する 加茂が岩殿 妻良(めら)のハレヨ めらんの浦 みよん(三穂)が崎 わたる隼(はやぶさ)鳥取らばハレヨ 鳥取らば おきん(沖)のとり 玉藻よるべし 波けさもよるべし

此殿の 子ヤのさすがね(鏆)三声鳴る 三声鳴らば 此身の熟睡(うつら)頃 とし用事を頃 御前の端(つめ)なる うたふべ

此の夜は あけか月夜か 明けならばハレヨ 明けならば 予(ま)もまま井らう 明日も参ろう

【原文参照】国立公文書館デジタルアーカイブス『豆州志稿』選者:秋山章/校訂者:秋山善政[数量]15冊[書誌事項]写本 弘化04年[旧蔵者]内務省
https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F1000000000000002883&ID=M2018051109165431627&TYPE=&NO=

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『神名帳考証土代(Jimmyocho kosho dodai)』〈文化10年(1813年)成稿〉に記される伝承

加茂神社の二座について 一座は賀茂磯の賀茂明神 一座は加畑の加畑明神 と記しています

【意訳】

加茂神社 二座

〇茂印本作毛 在 下上曰三島南17里
姓氏 鴨君 日下部宿祢同祖 彦坐命之後なり
續記 天平14年 賜 日下部直 益久 伊豆国造 伊豆直姓
志 一座 当郡下賀茂賀茂明神 賀茂磯と云う所に坐す 大山祇命を祀ると見ゆ 一座は 社辺 加畑の地に 加畑明神あり これなりと云う

【原文参照】国立公文書館デジタルアーカイブ『神名帳考証土代』(文化10年(1813年)成稿)選者:伴信友/補訂者:黒川春村 写本 [旧蔵者]元老院
https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F1000000000000039328&ID=M2018051416303534854&TYPE=&NO=画像利用

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『神社覈録(Jinja Kakuroku)』〈明治3年(1870年)〉に記される伝承

加毛神社の二座について 一座は 賀茂磯に在す 今 賀茂磯明神と称し 一座は 社辺加畑に在す 今 加畑明神と称すと記しています

【意訳】

加毛神社 二座

加毛は 仮字なり 和名鈔 郷名部 賀茂
〇祭神 詳らかならず
〇二座各々に在す
 一座は 賀茂郡下賀茂村 賀茂磯に在す 今 賀茂磯明神と称す 大山祇命を祀る
 一座は 社辺加畑に在す 今 加畑明神と称す
国圓に 上賀茂下賀茂 両村に在とあり

類社 山城国 愛宕郡 賀茂別雷神社の條 見合うべし
神位 国内神階記云 従4位上賀茂の明神

【原文参照】国立公文書館デジタルコレクション『神社覈録』著者 鈴鹿連胤 撰[他] 出版年月日 1902 出版者 皇典研究所
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/991015『神社覈録』

『特選神名牒(Tokusen Shimmyo cho)』〈明治9年(1876)完成〉に記される内容

加毛神社の二座について 一座は 下賀茂村の加畑明神 一座は 加納村の三島神社 と記しています

【意訳】

加毛神社 二座

祭日 1019
社格 下加茂村 郷社
所在 (賀茂郡南中村大字下賀茂)賀茂郷 下賀茂村 加納村
今按〈今考えるに〉
式社攷證に 一座は下賀茂村 鎮座の加畑明神と称す 豆志に云 加畑は社辺の地名 これ加茂神社の二座の一なり 今に加茂明神とも称へり云々
一座は 同郡加納村 三島神社ならむか 其は豆志 三島明神 加納村 これ大祠にして 加納二條石井三村の鎮守なり云々
上下賀茂村とは 最近く地を接したる所にして 旧同郷なること著しく 村里を分し時 遷祀れる事 月間明神と同例とみえたるが如くなるべし

【原文参照】国立公文書館デジタルコレクション『特選神名牒』大正14年(1925)出版 磯部甲陽堂
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/971155『特選神名牒』

三島神社(Mishima Shrine) (hai)」(90度のお辞儀)

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伊豆国 式内社 92座(大5座・小87座)について に戻る       

一緒に読む
伊豆國 式内社 92座(大5座・小87座)について

伊豆国(いつのくに)の式内社とは 平安時代中期〈927年12月〉に朝廷により編纂された『延喜式神名帳(Engishiki Jimmeicho)』に所載される当時の官社です 伊豆国には 92座(大5座・小87座)の神々が坐します 現在の論社を掲載しています

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