稲羽の八上比売(やがみひめ)と大穴牟遅神(おほなむじのかみ)の御子神
大穴牟遅神(おほなむじのかみ)は 婚約していた 稻羽(いなば)の八上比売(やがみひめ)を出雲へと率いて来られた しかし〈八上比売は〉正妻 須勢理毘売(すせりびめ)を恐れて 生まれた子供を木の股に挟んで〈木俣神(きのまたのかみ)〉〈稲羽へ〉引き返されました
・御井神社(斐川町直江)《主》木俣神 (大国主神の御子神)
『古事記』神話には
「〈八上比売〉は 鏑妻(かひめ)〈正妻〉須勢理毘売(すせりびめ)を恐れて 生まれた子供を木の股に挟んで 引き返されました
故に その子は 木俣神(きのまたのかみ) 亦名(またのな)は 御井神(みいのかみ)とも申す」と記されます
御井神社(みいじんじゃ)は 『古事記』因幡の白兎に登場する八上姫神が懐妊され出雲に来られた時 鏑妻〈正室〉の須勢理毘売神(スセリビメノカミ)を畏(おそ)れて その生まれた御子を木の俣にさし挾んで〈因幡に〉引き返しになられたので 木の俣の神 と申し またの名は 御井(みい)の神とも申す と伝わります
御井神社(斐川町直江)
『古事記(Kojiki)〈和銅5年(712)編纂〉』 に記される伝承
【抜粋意訳】
かの 八上比売(やがみひめ)は あの時の約束どおり 夫婦となられました
〈大穴牟遅神〉その 八上比売 を〈出雲に〉率いて来られた
しかし〈八上比売〉は 鏑妻(かひめ)〈正妻〉須勢理毘売(すせりびめ)を恐れて 生まれた子供を木の股に挟んで 引き返されました
故に その子は 木俣神(きのまたのかみ) 亦名(またのな)は 御井神(みいのかみ)とも申される
【原文参照】
⑧八千矛神(やちほこのかみ)の妻問い〈沼河比賣(ぬなかわひめ)〉 に進む
八千矛神〈大国主神〉が 高志国(こしのくに)に 美しく賢い女性〈沼河比売(ぬなかはひめ)〉が居ると聞き 結婚しようと通いました そして 求婚し 結ばれるシーンが 優雅な恋歌によって描かれます
⑧八千矛神(やちほこのかみ)の妻問い〈沼河比賣(ぬなかわひめ)〉
”時の架け橋” 大国主神(おほくにぬしのかみ)
『古事記』に登場する神話の舞台 に戻る
大国主神(おほくにぬしのかみ)が 坐(ましま)す 古代出雲の神代の舞台へ行ってみたい 降積った時を振り払うように 神話をリアルに感じたい そんな私たちの願いは ”時の架け橋” があれば 叶うでしょう 『古事記(こじき)』〈和銅5年(712)編纂〉に登場する神話の舞台は 現在の神社などに埋もれています それでは ご一緒に 神話を掘り起こしましょう
”時の架け橋” 大国主神(おほくにぬしのかみ)『古事記』に登場する神話の舞台