大穴牟遅神は 再び蘇生し 木の股をくぐり 難を逃がれ 厄難除けの力を持つ神として 描かれる
蘇生した大穴牟遅神(おほなむじのかみ)は 八十神(やそがみ)によって再び殺されます 又も 母神によって再び蘇生されて 木國(きのくに)〈和歌山県〉の大屋毘古神(おおやびこのかみ)の所へと逃されます
しかし 八十神は追い続け 矢を向けたので 大屋毘古神の助言で〈大穴牟遅神は〉木の股をくぐり 難を逃がれました
そして〈大穴牟遅神は〉須佐之男命(すさのをのみこと)の坐(ましま)す 根堅州国(ねりかたすくに)に参向(まいいでる)ことになります
・伊太祁曽神社(和歌山市)《主》五十猛命〈大屋毘古神〉
『古事記』神話には
「御祖命(みおやのみこと)〈母神〉が「お前はここに居たら 八十神(やそがみ)に滅ぼされる」そして 木國(きのくに)〈紀伊国〉大屋毘古神(おおやびこのかみ)のもとに遣わしました」と記されます
伊太祁曽神社(いたきそじんじゃ)は 神代からの木の国〈紀伊国〉の伝承が『古事記』『日本書紀』に語られます 『六国史』にも記事が見え『延喜式』には 紀伊国 名草郡 伊太祁曽神社〈名神大 月次 新嘗 相嘗〉と記される古社です 元は秋月(現在の日前宮鎮座地)に鎮座 その後 山東(現在の「亥の森」)に遷座したと云われています
伊太祁曽神社(和歌山市伊太祈曽)〈『古事記』『日本書紀』神代からの伝承あり〉
『古事記(Kojiki)〈和銅5年(712)編纂〉』 に記される伝承
【抜粋意訳】
これ〈蘇生した大穴牟遅神(おほなむじのかみ)〉を見て 八十神(やそがみ)は また欺(あざむ)いて山に連れて入り 大樹を切り倒し 楔(くさび)を打ち開き その中に入らせ そして 楔(くさび)を引き抜き 打ち殺してしまいました
そこで 御祖命(みおやのみこと)〈母神〉が 泣いて探し求め 見つけ出し その木を折(さ)いて取り出し 活(い)かし助けて その子に言いました
「お前はここに居たら 八十神(やそがみ)に滅ぼされる」
そして 木國(きのくに)〈和歌山〉大屋毘古神(おおやびこのかみ)のもとに遣わしました
ところが 八十神(やそがみ)が 探し追い至り 弓に矢を刺す時に 木の股から〈大穴牟遅神(おほなむじのかみ)を〉逃がしました
御祖命(みおやのみこと)〈母神〉が 子に云うには
「須佐之男命(すさのをのみこと)の坐(ましま)す 根堅州国(ねりかたすくに)に参向(まいいで)よ
必ず その大神(おほかみ)が 謀(はかりごと)をして下さるでしよう」と言われました
【原文参照】
➄根堅州國(ねのかたすくに)の試練 に進む
〈大穴牟遅神が〉根堅州国(ねりかたすくに)に到着すると 須佐之男命(すさのをのみこと)の女(むすめ)須勢理毘売(すせりびめ)と恋に落ち 結婚をします 姫は「麗しい神〈大穴牟遅神〉が来られました」と言い 須佐之男命(すさのをのみこと)は「これは 葦原色許男(あしはらしこを)という神ぞ」と言われ 数々の試練を与えますが 妻の須勢理毘売に助けられて その試練を乗り越えます
➄根堅州國(ねのかたすくに)の試練
”時の架け橋” 大国主神(おほくにぬしのかみ)
『古事記』に登場する神話の舞台 に戻る
大国主神(おほくにぬしのかみ)が 坐(ましま)す 古代出雲の神代の舞台へ行ってみたい 降積った時を振り払うように 神話をリアルに感じたい そんな私たちの願いは ”時の架け橋” があれば 叶うでしょう 『古事記(こじき)』〈和銅5年(712)編纂〉に登場する神話の舞台は 現在の神社などに埋もれています それでは ご一緒に 神話を掘り起こしましょう
”時の架け橋” 大国主神(おほくにぬしのかみ)『古事記』に登場する神話の舞台