和気能酢神社(わけのすじんじゃ)は 『延喜式神名帳』(927年12月編纂)に所載の式内社です 酒造りに関連した神社のようで『隠州神名帳(Onshu Shinmeicho)』〈貞観5年(863)国内神名帳〉には 従1位 和氣能酒大明神とあり 松尾神社(まつのおさん)とも呼ばれていました
1.ご紹介(Introduction)
この神社の正式名称や呼ばれ方 現在の住所と地図 祀られている神様や神社の歴史について ご紹介します
【神社名(Shrine name)】
和気能酢神社(Wakenosu Shrine)
(わけのすじんじゃ)
[通称名(Common name)]
松尾神社(まつのおさん)
【鎮座地 (Location) 】
島根県隠岐郡隠岐の島町下西1607
[地 図 (Google Map)]
【御祭神 (God's name to pray)】
《主》和気能須命(Wakenosu no mikoto)
【御神格 (God's great power)】(ご利益)
【格 式 (Rules of dignity) 】
・『延喜式神名帳(Engishiki jimmeicho)』所載社
【創 建 (Beginning of history)】
創建年代不詳
平安時代(927年)より前
【由 緒 (History)】
由緒
明治4年の『島後舊社取調帳』松尾大明神の條に、「此社は式内 周吉郡 和氣能須ノ命神社なる由 舊記にしるせり。 國内神名帳にも 和氣能酒大明神とあり」「人家を離れて高き所ニ在。中ノ大社ニて拝殿参籠所あり。此村の産神、并ニ八田村も此社の産子也。造営村中懸リ棟札ハ元和六年建立とあり」とある。
『隠州神名帳』に「從一位 和氣能酒大明神」とあるが、これはいはゆる宗源宣旨であろう。明治5年村社に列せられる。『式内社調査報告』より
【境内社 (Other deities within the precincts)】
【境外社 (Related shrines outside the precincts)】
この神社の予備知識(Preliminary knowledge of this shrine)
この神社は 由緒(格式ある歴史)を持っています
『延喜式神名帳(Engishiki Jimmeicho)』(927年12月編纂)に所載
(Engishiki Jimmeicho)This record was completed in December 927 AD.
『延喜式(Engishiki)律令の施行細則 全50巻』〈平安時代中期 朝廷編纂〉
その中でも巻9・10を『延喜式神名帳(Engishiki Jimmeicho)』といい 当時〈927年12月編纂〉「官社」に指定された全国の神社(式内社)の一覧となっています
・「官社(式内社)」名称「2861社」
・「鎮座する天神地祇」数「3132座」
[旧 行政区分](Old administrative district)
(神様の鎮座数)山陰道 560座…大37(うち預月次新嘗1)・小523
[旧 国 名 ](old county name)
(神様の鎮座数)隠岐国 16座(大4座・小2座)
[旧 郡 名 ](old region name)
(神様の鎮座数)周吉郡 4座(並小)
[名神大 大 小] 式内小社
[旧 神社 名称 ] 和気能須命神社(貞)
[ふ り が な ](わけのすのみことの かみのやしろ)
[Old Shrine name](Wakenosu no mikoto no kamino yashiro)
https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F1000000000000004146&ID=M2014101719562090086&TYPE=&NO=画像利用
【原文参照】国立公文書館デジタルアーカイブス 延喜式 刊本(跋刊)[旧蔵者]紅葉山文庫
【オタッキーポイント】(Points selected by Japanese Otaku)
あなたが この神社に興味が湧くような予備知識をオタク視点でご紹介します
隠岐の式内社〈16座〉について
隠岐国には16座(大4座・小2座)の式内社があります
その論社も含めてご紹介します
隠岐の式内社とは 平安時代中期〈927年12月〉に朝廷により編纂された『延喜式神名帳(Engishiki Jimmeicho)』に所載されている 隠岐國の16座(大4座・小12座)の神社のことです 現在の論社は 22神社となり 隠岐の固有の神々を祀る神社が多く貴重です
隠岐国 式内社16座(大4座・小2座)について
神社にお詣り(For your reference when visiting this shrine)
この神社にご参拝した時の様子をご紹介します
西郷港フェリーターミナルから R485号を西へ約3km 車7分程度
玉若酢命神社と社家億岐家住宅の間の登坂道を西へ500m程進むと 静かな杜の中に 小川に架かる橋があり 鳥居が建っています
木製の鳥居には注連縄が架かり 一礼をしてくぐります
和気能酢神社(Wakenosu Shrine)に参着
その先には 77段の石段が続きます
石段の上には 手水舎があり 手水鉢には水道が設置されています
社殿の建つ敷地は 更に一段高く7段程の石段を上がります
拝殿にすすみます 扁額には「和氣能酢神社」と記されています
賽銭をおさめ お祈りをします
ご神威に添い給うよう願いながら礼 鎮まる御祭神に届かんと かん高い柏手を打ち 両手を合わせ祈ります
お詣りした時に拝殿の中は空の筈ですが 写真には何やら光るものが写っています 拝殿の扉にはガラスはなく ただの格子ですので 反射する物はありません
不思議に想い 覗き直します 覗いてみると 天気が良く 板壁の隙間から光がさして 外の景色を画像のように映し出しています 偶然が生み出した一種のカメラ・オブスキュラ現象です
拝殿内の写真でもはっきりと判る程で 綺麗でしたので驚きませんが 何だろうと不思議な感覚でした
社殿を外から見ると 拝殿は瓦屋根で その奥に幣殿 本殿と続いています
春日造りの変態の本殿には 見事な龍の彫刻があります
参道を戻り 石段を77段下ります 鳥居を抜けて振り返り一礼をします
神社から南東方向に一直線に海へと下る道があり 実に見晴らしがよく こちらが本来の参道なのだろとわかりました
神社の伝承(A shrine where the legend is inherited)
この神社にかかわる故事や記載されている文献などをご紹介します
『隠州神名帳(Onshu Shinmeicho)』〈貞観5年(863)太政官符の命により編纂 国内神名帳〉に記される伝承
和氣能酒大明神と記されています
【意訳】
周吉郡
・・・
従1位 和氣能酒大明神
【原文参照】国立公文書館デジタルアーカイブス『隠州神名帳』続群書類従[書誌事項]写本
https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F1000000000000037315&ID=M1000000000000066833&TYPE=&NO=
『神名帳考証土代(Jimmyocho kosho dodai)』〈文化10年(1813年)成稿〉に記される伝承
神社名のみが記されています
【意訳】
和気能須命(ワケノスノミコトノ)神社
【原文参照】国立公文書館デジタルアーカイブ『神名帳考証土代』(文化10年(1813年)成稿)選者:伴信友/補訂者:黒川春村 写本 [旧蔵者]元老院
https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F1000000000000039328&ID=M2018051416303534854&TYPE=&NO=画像利用
『神社覈録(Jinja Kakuroku)』〈明治3年(1870年)〉に記される伝承
祭神は記されるが 所在などは記されません
【意訳】
和気能須命神社
和気能須は 仮字なり
〇祭神 明らかなり神位 国内神名帳 従1位 和氣能酒大明神
【原文参照】国立公文書館デジタルコレクション『神社覈録』著者 鈴鹿連胤 撰[他] 出版年月日 1902 出版者 皇典研究所
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/991015『神社覈録』
『特選神名牒(Tokusen Shimmyo cho)』〈明治9年(1876)完成〉に記される内容
所在について 下西村の山の上と記しています
【意訳】
和気能須命神社
祭神
今按〈今考えるに〉
国内神名帳に 従1位 和氣能酒大明神とあり祭日 3月17日
社格 村社
所在 下西村 山上(周吉郡磯村大字下西)
【原文参照】国立公文書館デジタルコレクション『特選神名牒』大正14年(1925)出版 磯部甲陽堂
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/971155『特選神名牒』
和気能酢神社(Wakenosu Shrine)に「拝 (hai)」(90度のお辞儀)
隠岐国 式内社16座(大4座・小2座)について に戻る
隠岐の式内社とは 平安時代中期〈927年12月〉に朝廷により編纂された『延喜式神名帳(Engishiki Jimmeicho)』に所載されている 隠岐國の16座(大4座・小12座)の神社のことです 現在の論社は 22神社となり 隠岐の固有の神々を祀る神社が多く貴重です
隠岐国 式内社16座(大4座・小2座)について