遠江国(とほとうみのくに)の式内社とは 平安時代中期〈927年12月〉に朝廷により編纂された『延喜式神名帳(Engishiki Jimmeicho)』に所載される 遠江国の 62座(大2座・小60座)の神社です
遠江国(とほとうみのくに)について
遠江国(Tohotouminokuni)は 令制国の一つ〈東海道に属する〉
現在の・静岡県の大井川以西
・遠淡海国造(とほつあはうみ くにのみやつこ)・素賀国造(すかくにのみやつこ)・久努国造(くど くにのみやつこ)
これらの国造が 支配する国々が 大化改新(645)の国郡の制により統合され 古くは 遠淡海国(とほつあはうみのくに)と称した
遠淡海国(とほつあはうみのくに)は のちに遠江国と書かれるようになった
国名の
「遠淡海(とほつあはうみ)」都〈奈良の都〉から遠くにある淡水湖という意
※淡水湖であった浜名湖(はまなこ)を指す
「近淡海(ちかつあはうみ)」都〈奈良の都〉から近くにある淡水湖という意
※淡水湖の琵琶湖(びわこ)を指す
戦国時代の末は 今川氏の所領
永禄(えいろく)3年(1560)桶狭間(おけはざま)の戦い以後
徳川家康(とくがわいえやす)公の領有となり
江戸幕府は 譜代4藩をおき ほかに天領、旗本領などがあった
明治4年(1871)7月 廃藩置県 浜松県となる
明治9年(1876)静岡県に併合
遠江国(とほとうみのくに) 62座(大2座・小60座)
大社2社は 2座〈大社2社は いずれも名神大社〉
小社58社は 60座
計60社は 62座
※座は神の柱数 社は神社数
郡として 12郡〈延喜式の当時〉
・浜名(はまな)郡・敷知(ふち)郡・引佐(いなさ)郡・麁玉(あらたま)郡・長上(ながのしも)郡・長上(ながのかみ)郡・磐田(いわた)郡・周智(しゅうち)郡・山名(やまな)郡・佐野(さや)郡・城飼(きこう)郡・蓁原(はいばら)郡
濱名郡(はまなの こおり) 5座(大1座・小4座)と論社について
弥和山神社(みわやまの かみのやしろ)
・神明宮(三ヶ日町只木)
英多神社(えたの かみのやしろ)
・濱名惣社神明宮(三ヶ日町三ヶ日)
猪鼻湖神社(ヰはなの かみのやしろ)
・猪鼻湖神社(三ヶ日町下尾奈)
・諏訪神社(新居町新居)
大神神社(おほむわの かみのやしろ)
・二宮神社(新居町中之郷)
・大神山八幡宮(湖西市大知波)
・熱田神社・一宮神社(湖西市吉美)
・神明神社(湖西市白須賀)
・神田神社(新居町浜名)
角避比古神社(名神大)(つのさくひこの かみのやしろ)
・細江神社(細江町気賀)
・諏訪神社(新居町新居)
・湊神社(新居町新居)
・八柱神社(浜松市西区村櫛町)
・若御子之神社・須佐之男神社(浜松市西区古人見町)
敷智郡(ふちの こおり) 6座(並小)と論社について
岐佐神社(きさの かみのやしろ)
許部神社(こへの かみのやしろ)
津毛利神社(つけりの かみのやしろ)
息神社(おむの かみのやしろ)
曽許乃御立神社(そこのみたちの かみのやしろ)
賀久留神社(かくるの かみのやしろ)
引佐郡(いなさの こおり) 6座(並小)と論社について
渭伊神社(ヰいの かみのやしろ)
乎豆神社(をつの かみのやしろ)
三宅神社(みやけの かみのやしろ)
蜂前神社(はちさきの かみのやしろ)
須倍神社(すへの かみのやしろ)
大敏神社(おほせちの かみのやしろ)
・三嶽神社(引佐町三岳)
・四所神社(浜松市北区滝沢町)
・細江神社(細江町気賀)
麁玉郡(あらたまの こおり) 4座(並小)と論社について
於侶神社(おろの かみのやしろ)
多賀神社(たかの かみのやしろ)
長谷神社(なかたにの かみのやしろ)
若倭神社(わかやまとの かみのやしろ)
長下郡(なかしもの こおり) 4座(並小)と論社について
長野神社(なかのの かみのやしろ)
大甕神社(おほみかの かみのやしろ)
登勒神社(とどくの かみのやしろ)
猪家神社(ヰけの かみのやしろ)
長上郡(なかかみの こおり) 5座(並小)と論社について
大歳神社(おほとしの かみのやしろ)
邑勢神社(いふせの かみのやしろ)
服織神社(はとりの かみのやしろ)
・服織神社(浜松市東区豊町)
服織神社(はたおりじんじゃ)は 古くは 天竜川沿いのこの辺には〈織物に関係した職人が集団〉服部(はとりべ)が住んでいたと伝わる 元明天皇の和銅元年(708)出雲国から 神様をお迎えして造られたのが創建と伝わる 延喜式内社 遠江國 長上郡 服織神社(はとりの かみのやしろ)とされます
服織神社(浜松市東区豊町)
朝日波多加神社(あさひはたの かみのやしろ)
子倉神社(こくらの かみのやしろ)
磐田郡(いはたの こおり) 14座(並小)と論社について
入見神社(いるみの かみのやしろ)
鹿苑神社(かそのの かみのやしろ)
淡海国玉神社(あはうみの くにたまの かみのやしろ)
田中神社(たなかの かみのやしろ)
豊雷命神社(とよいかつちのみことの かみのやしろ)
豊雷賣命神社(とよいかつちひめのみことの かみのやしろ)
生雷命神社(いくいかつちのみことの かみのやしろ)
天御子神社二座(あめのみこの かみのやしろ)
御祖神社(みをやの かみのやしろ)
御子神社二座(みこかみの かみのやしろ ふたくら)
矢奈比賣神社(やなひめの かみのやしろ)
須波若御子神社(すはわかみこの かみのやしろ)
周知郡(すちの こおり) 3座(並小)と論社について
芽原川内神社(はきはらの かはちの かみのやしろ)
小國神社(をくにの かみのやしろ)
・小國神社(森町一宮)
小國神社(おくにじんじゃ)は 遠江国一之宮で御霊顕(ごれいけん)あらたかな社として 大国主命を祀ります 社名の「小國(おくに)」の語源は 大國神を祀るきれいな場所と云われ 許当麻知神社(ことまち=願い事を待つ)・事任神社(ことのまま=願い事のままに)とも称されていました
小國神社(遠江国一之宮)
馬主神社(むまぬしの かみのやしろ)
山名郡(やまなの こおり) 4座(並小)と論社について
山名神社(やまなの かみのやしろ)
許祢神社(こねの かみのやしろ)
嶋名神社(しまなの かみのやしろ)
郡邊神社(こをりへの かみのやしろ)
佐野郡(さのの かみのやしろ) 4座(並小)と論社について
真草神社(まくさの かみのやしろ)
己等乃麻知神社(ことのまちの かみのやしろ)
・事任八幡宮(掛川市)
事任八幡宮は 創建は一説に成務天皇(84年~190)の御代の創立と伝え聞き 大同2年(807)坂上田村麻呂東征の際 桓武天皇の勅を奉じ 旧社地の本宮山より現社地へ遷座したと伝わります 古代より街道筋に鎮座し 朝廷をはじめ全国より崇敬されており 多くの歌人が歌に詠んでいます 平安期の「枕草子」にも記載があります
事任八幡宮(掛川市)清少納言が書いた「枕草子」の中に「ことのまま明神いとたのもし」と書かれた項があります
阿波波神社(あははの かみのやしろ)
利神社(としの かみのやしろ)
城飼郡(きかふの こおり) 2座(並小)と論社について
奈良神社(ならの かみのやしろ)
比奈多乃神社(ひなたの かみのやしろ)
・比奈多乃神社(掛川市上土方落合)
・高天神社(掛川市上土方嶺向)
蓁原郡(はいはらの こおり) 5座(大1座・小4座)と論社について
大楠神社(おほくすの かみのやしろ)
服織田神社(はとりたの かみのやしろ)
・服織田神社(牧之原市静波)
服織田神社(はとりだじんじゃ)は 社伝には゛景行天皇の七年に勧請された゛とあり 鎮座地は 往古は服織田村と言われたが柏原町と改められたと宝暦八年の検地帳に記載されています 『延喜式神名帳(927 AD.)』所載の式内社 遠江國 蓁原郡 服織田神社(はとりたの かみのやしろ)の論社です
服織田神社(牧之原市静波)
・白羽神社(御前崎市白羽)
白羽神社(しろわじんじゃ)は 社伝によれば゛旧社地は 御前崎市御前崎(厩崎)字本社に安閑天皇元年(531)11月鎮座 仁明天皇 承和元年(834)3月神様のお諭しにより宮処を廻り相応の処を定め 承和四年(837)2月現地に遷座した゛とあります 延喜式内社 遠江國 蓁原郡 服織田神社(はとりたの かみのやしろ)の論社です
白羽神社(御前崎市白羽)
・駒形神社(御前崎市御前崎)
〈白羽神社(御前崎市白羽)の旧鎮座地〉
駒形神社(こまがたじんじゃ)は 延喜式に載る白羽官牧の地と伝えられ 社伝には゛往古沖で遭難した九十頭の馬の内一頭が岸にたどりついた地とされる 残りの馬は沖の御前岩(駒形岩)と化したと云う 白羽神社の元宮とされる゛とあります 延喜式内社 遠江國 蓁原郡 服織田神社(はとりたの かみのやしろ)の論社です
駒形神社(御前崎市御前崎)
片岡神社(かたをかの かみのやしろ)
飯津佐和乃神社(いひつさわの かみのやしろ)
敬満神社(名神大)(きゃうまの かみのやしろ)
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『延喜式神名帳(engishiki jimmyocho)』は 延長5年(927年)に編纂されました このページは
東海道に鎮座する 731座『延喜式神名帳』の所載一覧
当時の「全国の官社」(祈年祭(毎年2月)に神祇官から幣帛を受ける神社)の一覧表が所載されています
「東海道」に鎮座する(731座…大52(うち預月次新嘗19)・小679)神社の一覧表です