実践和學 Cultural Japan heritage

Shrine-heritager

志多備神社(八雲町西岩坂)

志多備神社(したびじんじゃ)は 境内に日本一大きいスダジイの木があり この地区の荒神様の依代として崇められ 11月9日に里人が 総荒神として30mほどの大蛇を「依り代(yori shiro)」として作り お祭りを行っています

ここからは 掲載神社の呼称名を時代順に説明していきます

まず初めは 今から約1300年前・天平5年(733年)2月30日に完成した『出雲國風土記』
次に 今から約1100年前・平安時代中期(延長5年927年)に完成した『延喜式神名帳』
最後に『出雲國風土記』と『延喜式神名帳』の論社(現在の神社)となっています

【約1300年前】About 1300 years ago

【出雲國風土記(izumo no kuni fudoki)所載社(Place of publication)】
The shrine record was completed in February 733 AD.

【國】 出雲國(izumo no kuni)
【郡】 意宇郡(ou no kori) 条
    不在神祇官社(fuzai jingikan no yashiro)

【社名】 志多備社
【読み】(したび の)やしろ
【How to read】(shitabi no) yashiro

国立公文書館デジタルアーカイブ『出雲国風土記』写本
https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F1000000000000003351&ID=&TYPE=&NO=画像利用

【約1100年前】About 1100 years ago

【延喜式神名帳(engishiki jimmeicho)所載社(Place of publication)】
The shrine record was completed in December 927 AD.

非官社のため 該当しません(Not applicable as it was not a state-owned shrine.)

【現在】At the moment の【論社】Current specific shrine

【神社名】(shrine name) 

志多備神社(shitabi shrine)
(したびじんじゃ)

【通称名】(Common name)

【鎮座地】(location) 

島根県松江市八雲町西岩坂1589

【地 図】(Google Map)

【御祭神】(God’s name to pray)

《主》伊弉諾尊(izanagi no mikoto)
   伊弉冊尊(izanami no mikoto)

《配》天照大神(amaterasu omi kami)
   月夜見命(tsukiyomi no mikoto)
   保食命(ukemochi no mikoto)
   天能利刀神(ameno norito no kami)

【御神格】(God’s great power)

・五穀豊穣 Pray for good harvest
・諸業繁栄 Prosperity of various industries
・家内安全 Safe and comfortable home life
・開運厄除 Prayer at an age considered a milestone in life.Bring good luck and happiness.
・延命長寿 Healthy and longevity

【格式】(Rules of dignity)

・『出雲國風土記(izumo no kuni fudoki)』所載社

【創建】(Beginning of history)

もとは集落中央山腹にあり、応永年間の棟札に志多美権現社、慶長より桑次王子権現社となって長らく祀られていた

明治の明細帳には地区の名をあらわして桑並神社と記され、
明治三十五年に風土記に由来する志多備神社に変更、現在に至っております

『旧八雲村誌』

【由緒】(history)

雲陽誌には王子権現といわれていた。

境内には日本一大きいスダジイの木があり、この地区の荒神様の依代として崇められ、
10月9日には総荒神として30mほどの大蛇を作りお祭りを行っている。

島根県神社庁HPより

【境内社】(Other deities within the precincts)

・聖神社 《主》速玉之男命
・大元神社《主》事解之男神
・稲荷神社《主》宇迦之魂命
・杉森神社《主》瓊々杵尊命

【オタッキーポイント】(Points selected by Japanese Otaku)

日本一大きいスダジイの木が 総荒神の「依り代(yori shiro)」です

荒神祭 11月9日
稲藁(ina wara)で編まれた大蛇(orochi)を幹の周りに飾り付け 御神酒や白米を捧げて農作物の豊作を祈願する総荒神祭が行われます

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参道傍らにもスダジィ

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スダジイ(二本)

このスダジイは、桑並地区を守る総荒神の宿る神木です。

胸高周囲十一・四メートル、樹高約二十メートルで、樹幹は地上三メートルにあたりで九本に分かれ(一本は枯れている)四方に枝葉を広げています。

枝張りは、東西約二十メートル、南北約三十三メートルで、樹齢は確かでなく推定数百年と言われている日本一のシイの巨木です。

志田備神社参道傍にあるスダジイは、胸高周囲六メートル、樹高約十八メートル、枝張りは東西約十七メートル、南北約十九メートルです。

神社の周囲一帯は、スダジイの森になっており、学術上でも貴重な存在として残っています。

八雲村教育委員会

スダジイの木横の案内板からの抜粋

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【神社にお詣り】(Pray at the shrine)

松江駅から R432号経由 約11km 車25分程度
桑並川に添うように田園があり 東岸の丘陵に鎮座します

案内板や専用の駐車場(写真を撮らなかったのでストリートビューより)があります

 

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志多備神社(shitabi shrine)に到着

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田の中を参道が延び 鳥居が見えます

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真新しい石段を上がり 一礼して鳥居をくぐります

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参道石段の傍らにスダジィ

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狛犬が構え 神門があり 弁慶と牛若丸の絵馬が奉納されています

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拝殿と本殿が建ちます

境内の右手には 今日は 荒神祭 11月9日
里人がスタジイの幹の周りに巻く大蛇(orochi)を稲藁(ina wara)で編んでいます

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拝殿にすすみます
賽銭をおさめ お祈りです
ご神威に添い給うよう願いながら礼 鎮まる御祭神に届かんと かん高い柏手を打ち 両手を合わせ祈ります

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境内社 スタジイの木をお詣りして 

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神門をくぐり 参道を戻ります

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鳥居をくぐり 振り返り一礼

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【神社の伝承】(Old tales handed down to shrines)

『雲陽志(unyo shi)』意宇郡 西岩坂  にある伝承

『雲陽志(unyo shi)』では

現在の「志多備神社(shitabi shrine)」が
   「王子権現(oji gongen)」として記されています

※『雲陽志(unyo shi)』[黒沢長尚著]天保6 [1835] 『原文』参照国立公文書館デジタルアーカイブ『雲陽志』写本
https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F1000000000000002424&ID=&TYPE=&NO=画像利用

日本一大きいスダジイの木を「依り代(yori shiro)」に総荒神が坐ます
志多備神社(shitabi shrine)に「拝 (hai)」(90度のお辞儀)

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『出雲國風土記(Izumo no kuni Fudoki)に所載の神名帳(Jimmeicho)』に戻る

一緒に読む
『出雲國風土記(Izumo no kuni Fudoki)に所載の神名帳(Jimmeicho)』399社

出雲國(izumo no kuni)は「神の國」でありますので 各郡の条に「〇〇郡 神社」として 神社名の所載があります
『風土記(fudoki)』が編纂(733年)された 当時の「出雲の神社(399社)」を『出雲國風土記 神名帳(izumo no kuni fudoki jimmeicho)』として伝える役割をしています

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