実践和學 Cultural Japan heritage

Shrine-heritager

加畑賀茂神社(南伊豆町町下賀茂)

加畑賀茂神社(かばたかもじんじゃ)は 『延喜式神名帳(927年12月編纂)所載 式内社「加毛神社 二座」の内の一座とされ 創建は 平安時代初期 大同年間(806810)と伝えられています 御神木 ビャクシン(イブキ)の樹齢は1200で その頃からあるとされます

1.ご紹介(Introduction)

 この神社の正式名称や呼ばれ方 現在の住所と地図 祀られている神様や神社の歴史について ご紹介します

【神社名(Shrine name

加畑賀茂神社(KabataKamo Shrine)
かばたかもじんじゃ

 [通称名(Common name)]

【鎮座地 (Location) 

静岡県賀茂郡南伊豆町下賀茂19ー1

 [  (Google Map)]

 

【御祭神 (God's name to pray)】

《主》八重事代主命(Yae kotoshironushi no mikoto)

【御神格 (God's great power)】(ご利益)

【格  (Rules of dignity)

『延喜式神名帳Engishiki jimmeicho)所載社

【創  (Beginning of history)】

神社の創建は平安時代の始め 大同年間(806810)とも伝えられている

【由  (History)】

加畑賀茂神社

御神木の由来

樹種名 ビャクシン(イブキ)
樹高 8m 周囲6.3m

神社の創建は平安時代の始め、大同年間(806810)とも伝えられている。
この神社が建てられた頃から神木として生きつづけ樹齢は1200年ともいわれる。
根本はうつろになり、主幹部は枯死してしまったが残った樹枝はくねって伸びている。
あらためてビャクシンの生命力を強く感ずる。
町で一番古い木として、この町の歴史と共に歩んできた古木として大切にしていきたい。
平成104月吉日 南伊豆町下賀茂区

社頭の掲示板より

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【境内社 (Other deities within the precincts)】

本殿の横に石祠が並んで鎮座
若宮神社・神戸神社・日ケ原来之宮神社・大浦宇佐八幡宮屋久氏神社・馬込山王神社・鷺之森神社・篠原田村神社・鳥石楠舩神社天馬駒聖天宮・王子稻荷神社・篠原姫宮

【境外社 (Related shrines outside the precincts)】

この神社の予備知識(Preliminary knowledge of this shrine)

この神社は 由緒(格式ある歴史)を持っています

『延喜式神名帳Engishiki Jimmeicho)(927年12月編纂)に所載
(Engishiki JimmeichoThis record was completed in December 927 AD.

延喜式Engishiki)律令の施行細則 全50巻』〈平安時代中期 朝廷編纂
その中でも910を『延喜式神名帳Engishiki Jimmeicho)といい 当時927年12月編纂「官社」に指定された全国の神社式内社の一覧となっています

「官社(式内社)」名称「2861
・「鎮座する天神地祇」数「3132座」

[旧 行政区分](Old administrative district)
(神様の鎮座数)東海道 731座…大52(うち預月次新嘗19)・小679
[旧 国 名 ](old county name)
(神様の鎮座数)伊豆国 92座(大5座・小87座)
[旧 郡 名 ](old region name)
(神様の鎮座数)賀茂郡 46座(大4座・小44座)
[名神大 大 小] 式内小社

[旧 神社 名称 ] 加毛神社 二座
[ふ り が な ]かも かみのやしろ にざ
[Old Shrine name]Kamo no kamino yashiro Niza

https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F1000000000000004146&ID=M2014101719562090086&TYPE=&NO=画像利用
【原文参照】国立公文書館デジタルアーカイブス  延喜式 刊本(跋刊)[旧蔵者]紅葉山文庫

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【オタッキーポイント】Points selected by Japanese Otaku)

あなたが この神社に興味が湧くような予備知識をオタク視点でご紹介します

『延喜式神名帳Engishiki Jimmeicho)(927年12月編纂)に所載
式内社「伊豆國 賀茂郡 加毛神社二座」の論社について

・加畑賀茂神社(南伊豆町町下賀茂)

一緒に読む
加畑賀茂神社(南伊豆町町下賀茂)

加畑賀茂神社(かばたかもじんじゃ)は 『延喜式神名帳』(927年12月編纂)所載 式内社「加毛神社 二座」の内の一座とされ 創建は 平安時代初期 大同年間(806~810)と伝えられています 御神木 ビャクシン(イブキ)の樹齢は1200年で その頃からあるとされます

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・三島神社(南伊豆町二條)

一緒に読む
三島神社(南伊豆町二條)

三島神社(みしまじんじゃ)は 『延喜式神名帳』(927年12月編纂)所載の式内社「加毛神社 二座(かものかみのやしろ ふたくら)」の内 一座(ひとくら)とされています 社頭には伊豆半島でも屈指の樹齢千年以上の大楠2株「夫婦楠」があり その存在感には圧倒されます

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神社にお詣り(For your reference when visiting this shrine)

この神社にご参拝した時の様子をご紹介します

伊豆急下田駅から R136号を西へ9.8km 車18分程度
R136号を下賀茂温泉に向かって進みます

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R136号沿いに 石垣鳥居があり すぐにわかります
加畑賀茂神社(KabataKamo Shrine)に参着

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道路を隔てて反対側に空地があり 車を停めると 樹齢は1200御神木ビャクシン(イブキ)あります 案内板には彫刻が施されています そのすぐ裏手には 青野川が流れています

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道路を渡り 境内に向かいます かつての境内を道路が横切っているような感じですが それでも落ち着いた面持ちの神社です

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一礼をして鳥居をくぐります 鳥居扁額には「加畑賀茂神社」と刻まれています

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拝殿にすすみます 拝殿の板扁額には「加畑賀茂神社」と文字が彫られています

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拝殿は開け放たれていて 靴を脱ぎ階段を上がり
賽銭をおさめ お祈りをします 
ご神威に添い給うよう願いながら礼 鎮まる御祭神に届かんと かん高い柏手を打ち 両手を合わせ祈ります

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社殿の向かって右手に階段があり 進んでいくと 本殿の覆い屋の横に出ます
本殿の脇には 12宇の石小祠が並んで鎮座しています お詣りをします

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境内を戻り 振り返り一礼をします

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神社の伝承(A shrine where the legend is inherited)

この神社にかかわる故事や記載されている文献などをご紹介します

『豆州志稿(zushu shiko)』〈江戸時代 寛政12年(1800)編集〉に記される伝承

加毛神社 二座は 一座は 賀茂磯明神 もう一座は加畑明神と記しています

【意訳】

加毛神社 二座

下賀茂村
一座は 賀茂磯明神 賀茂磯の所に座す 明暦2年の札に云 加茂磯明神 其の外 薬師佛と 亦 大山祇命を祀ると見ゆ 祠内に古鏡 石五輪を蔵む 鑰取 小島氏
加畑明神 加畑は 社辺の地名 これ加毛の一座之伝 柏の古樹圓2丈許り 末社12

【原文参照】国立公文書館デジタルアーカイブス『豆州志稿』選者:秋山章/校訂者:秋山善政[数量]15冊[書誌事項]写本 弘化04年[旧蔵者]内務省
https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F1000000000000002883&ID=M2018051109165431627&TYPE=&NO=

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『神名帳考証土代(Jimmyocho kosho dodai)』〈文化10年(1813年)成稿〉に記される伝承

加茂神社の二座について 一座は賀茂磯の賀茂明神 一座は加畑の加畑明神 と記しています

【意訳】

加茂神社 二座

〇茂印本作毛 在 下上曰三島南17里
姓氏 鴨君 日下部宿祢同祖 彦坐命之後なり
續記 天平14年 賜 日下部直 益久 伊豆国造 伊豆直姓
志 一座 当郡下賀茂賀茂明神 賀茂磯と云う所に坐す 大山祇命を祀ると見ゆ 一座は 社辺 加畑の地に 加畑明神あり これなりと云う

【原文参照】国立公文書館デジタルアーカイブ『神名帳考証土代』(文化10年(1813年)成稿)選者:伴信友/補訂者:黒川春村 写本 [旧蔵者]元老院
https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F1000000000000039328&ID=M2018051416303534854&TYPE=&NO=画像利用

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『神社覈録(Jinja Kakuroku)』〈明治3年(1870年)〉に記される伝承

加毛神社の二座について 一座は 賀茂磯に在す 今 賀茂磯明神と称し 一座は 社辺加畑に在す 今 加畑明神と称すと記しています

【意訳】

加毛神社 二座

加毛は 仮字なり 和名鈔 郷名部 賀茂
〇祭神 詳らかならず
〇二座各々に在す
 一座は 賀茂郡下賀茂村 賀茂磯に在す 今 賀茂磯明神と称す 大山祇命を祀る
 一座は 社辺加畑に在す 今 加畑明神と称す
国圓に 上賀茂下賀茂 両村に在とあり

類社 山城国 愛宕郡 賀茂別雷神社の條 見合うべし
神位 国内神階記云 従4位上賀茂の明神

【原文参照】国立公文書館デジタルコレクション『神社覈録』著者 鈴鹿連胤 撰[他] 出版年月日 1902 出版者 皇典研究所
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/991015『神社覈録』

『特選神名牒(Tokusen Shimmyo cho)』〈明治9年(1876)完成〉に記される内容

加毛神社の二座について 一座は 下賀茂村の加畑明神 一座は 加納村の三島神社 と記しています

【意訳】

加毛神社 二座

祭日 1019
社格 下加茂村 郷社
所在 (賀茂郡南中村大字下賀茂)賀茂郷 下賀茂村 加納村
今按〈今考えるに〉
式社攷證に 一座は下賀茂村 鎮座の加畑明神と称す 豆志に云 加畑は社辺の地名 これ加茂神社の二座の一なり 今に加茂明神とも称へり云々
一座は 同郡加納村 三島神社ならむか 其は豆志 三島明神 加納村 これ大祠にして 加納二條石井三村の鎮守なり云々
上下賀茂村とは 最近く地を接したる所にして 旧同郷なること著しく 村里を分し時 遷祀れる事 月間明神と同例とみえたるが如くなるべし

【原文参照】国立公文書館デジタルコレクション『特選神名牒』大正14年(1925)出版 磯部甲陽堂
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/971155『特選神名牒』

『明治神社誌料(Meiji Jinja shiryo)』〈明治45年(1912)〉に記される伝承

延喜式に加毛神社二座と見える一座であると記しています

【意訳】

静岡縣 伊豆賀茂郡中村 大字 下賀茂小島

郷社 加畑賀茂(カハタカモノ)神社

祭神 八重事代主命(ヤエコトシロヌシノミコト)

別殿 王子(オウジ)神社(祭神不詳) 濱川(ハマカワ)神社(祭神不詳)

創立年代詳らからず 但し伝え云う 大同年間創立なりと 延喜の制 小社列せられ 神階は従4位上 加茂の明神見えたり 式に加毛神社二座と見えたる一座なり
地名に依りて 一に加畑明神と称す
明治4年 今の号に改め 同6年12月 郷社に列す
社殿は 本殿 拝殿 應屋等を備し 境内は753坪あり
別殿二座 祭神不詳 或いは云く 御子神社ならんと

境内神社
若宮神社・神戸神社・日ケ原来之宮神社・大浦宇佐八幡宮屋久氏神社・馬込山王神社・鷺之森神社・篠原田村神社・鳥石楠舩神社天馬駒聖天宮・王子稻荷神社・篠原姫宮

例祭日 11月2日

【原文参照】国立国会図書館デジタルコレクション『明治神社誌料』明治45年(1912)著者 明治神社誌料編纂所 編
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1088244映像利用『明治神社誌料』

加畑賀茂神社(KabataKamo Shrine) (hai)」(90度のお辞儀)

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伊豆国 式内社 92座(大5座・小87座)について に戻る       

一緒に読む
伊豆國 式内社 92座(大5座・小87座)について

伊豆国(いつのくに)の式内社とは 平安時代中期〈927年12月〉に朝廷により編纂された『延喜式神名帳(Engishiki Jimmeicho)』に所載される当時の官社です 伊豆国には 92座(大5座・小87座)の神々が坐します 現在の論社を掲載しています

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