備中国(びっちゅうのくに)の式内社とは 平安時代中期〈927年12月〉に朝廷により編纂された『延喜式神名帳(Engishiki Jimmeicho)』に所載される 備中国 18座(大1座・小17座)の神社です
備中国(びっちゅうのくに)について
備中国(Bitchunokuni)は 令制国の一つ〈山陽道に属する〉
現在の・岡山県の西部
備中国(びっちゅうのくに)の成立は
大和朝廷は 強大な吉備国(きびのくに)の解体〈分解〉を進め 鉄資源を吉備氏から直接 大和朝廷の管轄下に置くことによる吉備氏の弱体化の意図があったとされます
7世紀後半
吉備国(きびのくに)が 備前国、備中国、備後国に分割されて成立
当初は 吉備道中国(きびのみちのなかつくに)とも云われていた
備中国(びっちゅうのくに) 18座(大1座・小17座)
大社1座1社
小社17座は17社
計18座は18社
※座は神の柱数 社は神社数
郡〈延喜式神名帳に記載〉
・窪屋郡(くほやの こおり) 3座(並小)
・賀夜郡(かやの こおり) 4座(大1座・小3座)
・下道郡(しもつみちの こおり) 5座(並小)
・小田郡(をたの こおり) 3座(並小)
・後月郡(しつきの こおり) 1座(小)
・英賀郡(あかの こおり) 2座(並小)
窪屋郡(くほやの こおり) 3座(並小)
百射山神社(ももいやまの かみのやしろ)
・百射山神社(総社市三輪)
足髙神社(あしたかの かみのやしろ)
・足高神社〈帆下げの宮〉 (倉敷市笹沖)
菅生神社(すかふの かみのやしろ)
・菅生神社(倉敷市祐安)
・菅生天津神社(倉敷市西坂)
賀夜郡(かやの こおり) 4座(大1座・小3座)
古郡神社(ふるこほりの かみのやしろ)
・古郡神社(総社市総社)
古郡神社(ふるこおりじんじゃ)は 創建年代は不詳 正長元年(1428)の大風により倒壊し 久米村御崎神社に合祀奉遷された 嘉永四年(1851)足守藩木下利成の援助により 西山の旧社地に社殿を造営し再興された 明治初期造営の社殿は倒壊していて 現在は 小祠と古郡神社々跡の石碑が残ります
古郡神社(総社市総社)& 古郡神社々跡
・〈槇谷鎮座 村社・古郡神社を合祀〉池田神社(総社市槙谷市井谷)
池田神社(いけだじんじゃ)は 『延喜式神名帳927 AD.』所載の備中国(びっちゅうのくに)賀夜郡(かやのこおり)古郡神社(ふるこほりの かみのやしろ)の論社であった 元 槇谷鎮座 村社 古郡神社を 大正二年(1913)十二月十三日に合祀していて 現在 式内社の論社となっています
池田神社(総社市槙谷市井谷)〈元槇谷鎮座 古郡神社を合祀〉
・吉川八幡宮(吉備中央町吉川)〈参考論社〉
吉川八幡宮(よしかわはちまんぐう)は 永長元年(1096)京都 石清水八幡宮の別宮として創建と伝わり その後 慶長年中(1596~1615年)に断絶したが 後光明天皇 寛永21年(1664)に寄付の記録があります 『備中誌』に 吉川村の村内に布郡(ふこほり)と呼ばれる地名があり ここが式内社 古郡神社(ふるこほりの かみのやしろ)の所在ではないかと記しています
吉川八幡宮(吉備中央町吉川)
野俣神社(のまたの かみのやしろ)
・沼田神社〈沼田天満宮〉(総社市総社)〈総社宮の境内〉
・大和神社(吉備中央町宮地)
〈大和神社に合祀 野俣神社(大和岨谷字野俣)〉
鼓神社(つつみの かみのやしろ)
・皷神社(岡山市北区上高田)〈備中國二之宮〉
吉備津彦神社(名神大)(きひつひこの かみのやしろ)
・吉備津神社(岡山市吉備津)
吉備津神社(きびつじんじゃ)は 社伝によれば 第十六代 仁徳天皇が吉備国に行幸された時 ゛大吉備津彦命〈第七代 孝霊天皇の皇子〉゛(第十代 崇神天皇の御代に吉備国に下られ 鬼の温羅(うら)を平らげた)を祭神として御創建になられたと云う 後に延喜式では 名神大社に列し やがて最高位の一品の位になり 一品吉備津宮ともいう
吉備津神社(岡山市北区吉備津)〈備中国一之宮〉
下道郡(しもつみちの こおり) 5座(並小)
石畳神社(いしたたみ かみのやしろ)
・石疊神社(総社市秦)
神神社(みわの かみのやしろ)
・神神社(総社市八代宮山)
・嚴島神社(総社市真壁)
麻佐岐神社(あさきの かみのやしろ)
・麻佐岐神社(総社市秦)
・天神社〈秦天神社〉(総社市秦)
横田神社(よこたの かみのやしろ)
・横田神社 (総社市久代)
穴門山神社(あなとのやまの かみのやしろ)
・穴門山神社(倉敷市真備町妹)
穴門山神社(あなとやまじんじゃ)は 日本武尊(yamatotakeru no mikoto)の妃「穴門武媛命(anato takehime nomikoto)」を御祭神としています 古代 児島半島の北側に広がる岡山平野にかつて存在した海「吉備の穴海」を「高山(koyama)」の頂上から見守り続けていたのでしょうか?
穴門山神社(倉敷市真備町妹)
・穴門山神社(高梁市川上町高山市)
小田郡(をたの こおり) 3座(並小)
在田神社(ありたの かみのやしろ)
・有田八幡神社〈在田神社〉(笠岡市有田)
神嶋神社(かんしまの かみのやしろ)
〈神島天神社に合祀 御崎神社(神島御崎)〉
・神島天神社(笠岡市神島)
・神島神社〈興世明神〉(笠岡市神島外浦)
・高島神社(笠岡市高島)
〈神嶋神社 発祥の地〉
鵜江神社(うえの かみのやしろ)
・鵜江神社(小田郡矢掛町西川面)
・大元鵜江神社(小田郡矢掛町東川面)
・鵜江神社(小田郡矢掛町小林)
後月郡(しつきの こおり) 1座(小)
足次山神社(あしつきのやまの かみのやしろ)
・足次山神社(井原市井原町)
・足次神社(井原市西江原町)
・大山神社〈境内摂社 足次神社〉(井原市芳井町天神山)
英賀郡(あかの こおり) 2座(並小)
比賣坂鍾乳穴神社(ひめのさかのいちのちの かみのやしろ)
・日咩坂鐘乳穴神社(新見市豊永赤馬)
井戸鍾乳穴神社(ゐとのかなちあな かみのやしろ)
・井戸鐘乳穴神社〈岩山大明神〉(真庭市上水田)
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『延喜式神名帳(engishiki jimmyocho)』は 延長5年(927年)に編纂されました このページは
山陽道に鎮座する 140座『延喜式神名帳』の所載一覧
当時の「全国の官社」(祈年祭(毎年2月)に神祇官から幣帛を受ける神社)の一覧表が所載されています
「山陽道」に鎮座する(140座…大16(うち預月次新嘗4)・小124)神社の一覧表です